「キャッチボール」

(みらいいろ・回想録)


(三)

気付けば、目の前には隅田川が広がっていた。

ここに来るのは、割と久々だった。

カナデは隅田川に沿った道を歩き始めた。

俺もそれに続く。

しばらく歩くと、カナデは河川敷へと下りていった。

そこそこの広さの河川敷だった。

隅田川が近付く。

「ここって、よく来るのか?」

「河川敷に下りるのは、初めてだよ。」

俺の問いかけに、カナデは笑いながら答えた。

俺は河川敷を見回した。

隅っこには、幾つかの錆びたドラム缶が放置されていた。

砂場もある。

子供が遊んで、そのままにしていったであろう形跡があった。

先程の雨で砂の窪みに水が溜まり、小さなダムみたいだなと思った。