「キャッチボール」

(みらいいろ:回想録)


(二)

少し強めの風が吹く。

それに乗って、草と排気ガスの匂いが届く。

すぐ近くには大通りがあって、車が忙しなく行き交っている。

排気ガスの匂いは、割と強く、辺りに漂っている。

「げほっ…げほっ…!!」

隣でカナデが、酷く咳き込んだ。

「平気か?」

俺の問いかけに、カナデは苦しそうに笑いながら頷いた。

カナデは体が弱かった。

カナデとは中学の頃からの付き合いだけど、体育を見学していたところを何度か見た事がある。

季節の変わり目にも体調を崩して、学校を休む事もあった。

入院も何回かしている。

カナデ自身は、あまり自覚をしていない。

普通の生活は出来てるし、バンドも出来るから問題ないと本人は笑う。

もっと自覚しろって、俺は苦笑いしながら言った。