「みらいいろ」


(六)

アパートに戻ると、僕は床に座り込んだ。

電気を点ける事も忘れていた。

ただ、訳もなく涙が止まらなかった。

不意に、携帯が光った。

一件の受信メール。

フジからだった。

「さっきは悪かった。お前が一番分かってるのも知ってる。ただ、話がしたかったんだ。」

フジからのメールを読んで、また涙が止まらなくなった。

そうだ、フジの言う通りなんだ。

僕は、この世界を諦めていた。

期待したって、どうせ裏切られる。

夢見る事程、馬鹿げた事はない。

それでもなんて思って、結局は繰り返し。

そうやって、今日に辿り着いたんだ。

正直、生きていくのが辛かった。

何したって、どう頑張ったって、僕はみんなに追いつけなかった。

死にたいなんて、口にした事はない。

でも、心のどこかで、常に思っていた事も事実だった。

フジに会おうと思った理由が分かった。

僕はただ、僕の事を認めて欲しかったんだ。

ほら、こうやって、また繰り返すんだ。

期待したって、どうせまた裏切られるのに。

未来に希望を持ったって、どうせ絶望するだけなのに。

それでも次は、なんて期待してる僕が居る。

それで馬鹿を見たって、それも悪くないって思ってる僕が居る。

真っ暗な部屋で、僕は涙を流し続けた。