「悠李!よくやった!」

悠李はベンチにもどってくると、みんなによくやったといわれ、肩を叩かれた。

「・・・痛い」

そういう悠李だったが、顔はうれしそうだった。
次のバッターはピッチャーゴロでアウトになってしまい、攻守交替だ。
攻守が変わると、相手のいかにもクラス委員長ですというような男がこちらのベンチに来た。

「先生、やはり我々の実力でこの試合をするためには、試合に魔術を使わないと・・・」

「ほぉ?試合に魔術か?・・・面白そうだな」

「了承、くださいますか?」

「あーいいよいいよー」

藤井と委員長眼鏡との交渉は1分足らずで終わる。
その交渉は俺たちをふりにするためのもの、あいつらの策だった。その交渉をみていた俺は驚いた。

「おいおい!いいのかよ!許可しちまって!」

「あー?いいんじゃね?面白そうだし」

「・・・本当にいいんだな?」

「は?」

殺る気にみちている土門のほうを俺がチラリとみる。

ピッチャーは土門だ。
キャッチャーは俺がやることになった。

「いよっしゃ行くぜええ!!俺のバットが唸るぜぇ!」

バッターが明らかに魔術をつかっていた。服がはち切れんばかりに、筋肉がふくれあがっていた。
(こりゃぁ神経に魔力注ぐことで発動する瞬間筋肉(クイックマッスル)か・・・それにしてもこの筋肉は異常だな)
そんなことを思い、バッターを観察する。土門はそんなことを気にしないで投球する。
バッターが笑った気がした。

「フハハハハ!俺のこの筋肉をただの瞬間筋肉(クイックマッスル)だとおもうなよ!赤色のクイックマッスルだ!!!)

赤色の性質には火を操るほかに、『活性化』という性質がある。
よんで字のごとく、赤色の魔力を通したものは活性化する。
赤色の魔術の威力がたかいのは、それがひとつの原因でもある。赤色(活性化)を使った魔術なのだから、破壊力も中々のものになるということだ。
まぁつまり、こいつの筋肉は、クイックマッスル+活性化のせいで、こんなにも異常に筋肉がふくれあがっているのだ。

「これでおしまいだオチコボレ共ォオオオ!」

「お前がなっ!」

ブウン!!!と風を捉えた鋭いスイング。
そしてバットがボールを捉える。
その瞬間、土門がニヤッとした。
バットがボールにあたる爽快な音はせず、バキリ!という音がした。

「・・・は?」

「空振り・・・っていうかバット折れてるぜ?ユートーセーさん?」

キャッチャーマスク越しに俺が笑う。

「なんだ!?なにがおきたんだ!?」

所詮は天から与えられたもの(色の数)をもてあまし、努力もしないカス共だ。色の数イコール強いなんて考えてる、正真正銘の、馬鹿だ。

「黄色の性質ってなんだかしってるか?」

ボールを返球しながら俺がいうと、馬鹿にするなと筋肉野郎はいった。

「黄色の性質は電気を操ることだろ!」

「他には?」

「他は硬度を操る・・・硬度を操る?」

「そうさ」

土門は投げる瞬間、ボールと金属バットの硬度を操った。
ボールはダイヤモンド並に固く、金属バットは、おもちゃのバットのようにやわらかく。

「そんな・・・」

「魔術を使わせたら俺等のほうが上だとおもったのか?」

「・・・・・・」

筋肉野郎は答えない。

「確かに俺たちは扱える色の数はすくないさ。でもな、使い方はお前らより上手なんだよ・・・苦労して、努力して、必死だからな、ユートーセーさん」

こいつのクラスメイトが代わりのバットを、持ってくる。

「さぁ、まだゲームは始まったばかりだ、楽しもうぜ?」

土門が振りかぶり、投げた。
ドパァン!!という音をグローブが立てる。

「ボールかよ・・・。土門!しっかり投げろ!」

「おおう!」

ボールを返球し、またとる体勢になる。

「なんでお前、ダイヤモンド並の硬度のボールをただのグローブでとれるんだ・・・?音からして硬度は変わってないようにしか聞こえないぞ・・・」


「あぁそうだよ、変わってないよ」

「!?」

「コークトォー・・・次、思いっきり行くぞ」

腕を頭の上まであげて、思いっきり振りかぶる。

「ほら、余所見すんな」

俺がまたマスク越しに笑う。

「3ストライク!バッターチェンジ」

硬度を変えて戦う先方はうまくいった。フルスイングしてバットがおれてしまっては打てない。
バントでこつこつ攻めるしかないのだ。相手が何をしてくるのかわかれば、守ることは簡単だ。だから相手はなにもできないまま、見逃しで終わった。

「あぁ、さっきの質問答えてなかったな」

「・・・?」

俺はそういうとグローブをとった。

「なんだ?その包帯」

「具現布っていて、魔力を具現化してくれるものでね、俺の半径5メートルだったら魔力が具現化できるんだ」

「・・・だから?」

「俺の色は白色。グローブの部分に白色の魔力はっておけば、硬度は普通のボールに戻るってわけだ」

「白色・・・!?」

「そんなやつみたことないってだろ?でも現にこうやっているんだよ」

「っ・・・!」

驚いた顔をして筋肉野郎はベンチに戻っていく。
この具現布はとても便利だ。
俺の心が見えるように、と強く思ったら多分俺の魔力は完璧な白色で見えるようになるだろう。
しかしそうすると具現布にただ魔力を通すより魔力の濃度が濃くしなければいけないので、魔力消費が想像以上に激しい。

「さて・・・次もいくぞ土門」







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・雑記
一週間くらい車乗ってなかったらバッテリー上がってましたwww
みなさんも気をつけましょう。
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気を失った長谷キョーを保健室まで運ぶと、そこにはなぜか藤井がいた。多分職員室のコーヒーがまずいので保健室のうまいコーヒーをすすりに来たのだろう。丁度いい。

「は?俺に体育をみろってか?」

男の体育教師も女の体育教師もいない今、藤井を代理として呼ぶしかなかった。

「ちっ・・・まぁいい暇だしな」

コーヒーカップを机に置き、サンダルのままグラウンドに藤井はでてきた。
その光景をみたクラスの面々はヒソヒソとなんで藤井?と言っていた。
聞こえていたらおそらく殺されているだろう。
なんにせよ、これで試合は続行できる。
ちなみに土門は結局三振し、長谷キョーにボールを当てたことでの通信簿1かもしれないという恐怖に怯え、端っこのほうで体育座りをしていた。

(まったく・・・今回は予想外のイベントだったな)

そんなことを思いバッターボックスへ。
足の位置を確認するときに女子の試合が眼に入った。丁度真白がバッターボックスに立っていた。

「ボール!2ボール!」

真白は兎に角背が小さい。
中々ストライクゾーンにはいらないようだ。
ピッチャーはあせっている。ストライクを一個もとっていないからだ。

(わーお・・・真白サン理不尽・・・)

視てはいけないようなものを視てしまった、そんな気分だ。
よくみると真白は少しふくれていた。
ガイヤ(ベンチ)の女子たちのせいもあるだろう。

「マシロー!そのまま振らなくていいよー!」

これは酷い。
下校のときは多分機嫌があまりよくなないだろう。あとで慰めてやろう・・・あ、あとあいつの好物夕食につくってやるか。今日どっかのスーパーで特売やってるからあとで真白と一緒に行こう。他になんか必要なものあったっけ―――。
俺の思考はズバン!という鋭い音で現実に引き戻される。

「ストラーイク!バッターアウト!」

「・・・え?」

真白のほうをみているうちに、いつのまにか投げられていたようだ。
ベンチからブーイングが飛ぶ。

「ククッ・・・馬鹿だな黒桐」

「・・・うるさいッス」

イスに深く座り、試合の行く末を見ていた藤井が俺をからかってきた。

「白亜・・・」

次の打席は悠李だ。ベンチから出るのに俺が邪魔だったらしい。

「あぁわりぃ」

「・・・親馬鹿?」

「グッハ・・・!」

どうやら悠李に思考を読まれていたようだ。しかし悠李に馬鹿といわれることはここまで精神ダメージがあるとは・・・。馬鹿と・・・馬鹿という部類で・・・土門と同じ一括りにされるということがここまで精神的苦痛になるとは・・・!
俺も土門の隣で体育座りすることとなった。

「180cmもあるデカブツ二人がそろって体育座りっていうのもキモチワルイな」

やめてくれ!俺のガラスのハート、正しくはすでに悠李に割られてもう砕け散ったガラスのハートをこれ以上粉々にしないでくれ。藤井の一言がまた心にささる。
落ち込んでいると、コツンという金属音が聞こえてきた。

「ここでバントか・・・地味っていうかなんというか・・・犬神らしいな」

「セーフ!セーフ」

悠李は足は速いので余裕で間に合ったようだ。
こんなことで落ち込んでいてもしょうがない。悠李の応援をしよう。

「ツーアウトツーアウトォ!」

と相手側のベンチが言う。
悠李のことだから余裕で三塁までいきそうだな。
盗塁で。
悠李がファーストから少しずつ離れる。
そしてピッチャーが振りかぶると、歩いた。
テクテクという擬音がピッタリ当てはまりそうな、そんな普通の速度で歩いた。
バァン!!とグローブに球が収まる音がする。
キャッチャーが悠李をアウトにするだろうと相手側のベンチは思っていただろう。
しかし、キャッチャーはピッチャーにボールを返球しただけであった。

「セーフ!セーフ!」

塁審が声を張り上げ、悠李が動いたことを告げる。
すると相手のベンチから声が上がる。

「なにやってんだキャッチャー!アウトにできただろ!」「あいつ走ってすすらいないぞ!」
「気づけ!」「てかあいつ影薄くなかった?」

などというものだ。
キャッチャーとピッチャーは本当に気がついていなかったのだ。悠李は存在感が薄いというか自己主張しないやつなので、黙っていればどこにいるかわからなくなってしまう特性がある。
さっき教室で土門(馬鹿)が悠李をみつけられなかったのはそのためである。

「おーいおい!なにやってんだよぉ!そんなオチコボレ、さっさと倒せよ!」

「・・・アン?」

オチコボレという言葉に土門が反応した。いや、クラス全員が反応した。
そしてムクリと立ち上がった。

「おいお前ら!」

土門が叫ぶ。

「あいつらつぶすぞ!!!」

土門が親指を立てて、自分の首を横一直線に切るモーションをする。
クラス全員に火がついてしまった。
元々俺のいるクラスは、色が2色しかない奴等ばかりだった。それはどうやっても抗いようのない運命ともいえるもので、努力では到底どうにもできない事実。
それをコンプレックスにしている奴等は多い。
そしてさっきの言葉が、こいつ等を殺る気にさせた。

「行くぞ!」

『エーイ!!!』

なんだろう・・・返事の仕方とか野球部じみてきた。

「オチコボレがどんなにあがいても・・・オチコボレなんだよッ!!!」

ピッチャーが最初になげたような剛速球を、キャッチャーに向かって投げつける。

「ざかまっしゃあああああああ!」

名も知らないクラスメートA(正確には忘れた)がボールを打ち上げる。
怒りで振りかぶった、渾身の一打。

「ふ・・・ふん!ホームランにはならないさ!」

ピッチャーの言ったとおり、ホームランにはならなかった。しかし、そのガイヤフライは地面に落ちた。

「・・・・・・十分」

「三塁で止めろぉ!」

キャッチャーが叫ぶ。レフトにいた現役野球部が、中継なしにバックホームにボールを投げてくる。

「なめるなオチコボレェェェ!!」

「これでホームインできないだろ!」

キャッチャーがボールを受け取り三塁を見ると、そこにはサードを守るクラスメイト以外、いなかった。
ならば二塁のまま、走ってないのか?とおもって二塁をみると、さっきと同じようにセカンドを守るクラスメイトしかいなかった。

「どこいった・・・?」

「ホームイン!」

「ハッ!?」

後ろを振り返ると、そこにはホームインした悠李がいた。

「あまり・・・馬鹿にしないほうがいい」

悠李が少し怒ったような目でキャッチャーを見つめた。








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