作品についてこの小説はブログ主の友人のものであり 本人に許可を得て掲載しているものです。 この物語はフィクションであり 登場する人物、団体、組織名等はすべて架空の物です。 小説内の文章・絵その他の無断転載・使用を禁止します。 ・あらすじ ・登場人物 ・第1話「開幕」
「馬鹿(土門)も使いどころ」⑨神様がいるっていうなら、信じてやるよ。俺は馬鹿だからいるかいないかなんてわからないけどさ、神様。この時間がずっと続くようにしてくれよ。馬鹿なりの悩みなんだよ。努力ではどうにもならないこともあるからさ。そのためのお前なんだろ?神様。「こりゃー・・・俺たちの負けだな、野地」「ぐっ・・・」さっきまでグラウンドでピッチャーをしていた男は、委員長キャラの眼鏡こと野地に話しかける。彼らは屋上にあがっていた。上から白亜たちの戦いをみていたようだ。野地は悔しそうに爪をかんでいた。「色の数なんかじゃ、わからないものもあるのかもな」「・・・!僕は認めないぞ!僕たちは選ばれたエリートだ!」野地が叫んで、必死に否定する。『ヘェ・・・エリートね』背後から、声がした。「誰だ!!」野地が後ろを振り返る。すると、屋上の入口の上に一人の男が座っていた。身長190cmはあろうかという大きな体。格好は妙で、バンダナをし、髪の毛は逆立っていて、腹には晒しのように包帯をまき、チョッキをその上からはおっているだけで、ズボンは作業服のようなものをはいていた。チョッキの袖の部分は羽毛があり、それが風になびいていた。そして、影になってみえずらかったが、一番妙なものが目にはいった。大剣だ。2メートルはあろうかという大剣を、斜めにして背負っていた。重量はおそらく200キロは軽く超えるであろう。突然男が立ち上がる。「あなた・・・何者ですか?」「あぁ・・・俺?」「・・・」「俺はね」突然、男の姿が視界から消える。移動したとは考えられない。あんな重そうな大剣を担いで、突如視界からきえるなんて人間業じゃない。「魔術結社『奈落(アビス)』の『四つの正義』の、『自由』のヴァゼット・ランカスターンだ」野地は後ろから声がすることに気づき、後ろを振り返る。「君たち、エリートなんだろ・・・?なら」一番妙だとおもっていた大剣が右手の中にある。しかし一番妙なのは大剣などではなかった。右腕だ。右腕には、幾つものベルトが、腕に巻きついていた。『 俺 を 『 自 由 』 に し て く れ よ 』「―――ヒッ!!!」大剣が振り下ろされる。「野地ィイイイ!!!」もう一人の男が叫ぶ。ビチャリという音が、男の耳に染み付いた。「あ・・・あぁあ・・・!」「なんだ・・・エリートっていうからこれぐらいの攻撃防いでくれるものだと思ったのに・・・それになんだいこの魔力の質の悪さ。数おおけりゃいいもんじゃないよ」ヴァゼットが自分にちた返り血をなめる。「キミも・・・『コレ』と同じなのかな?」「うわぁぁぁぁああああ!」ヴァゼットから逃げようと、もう一人の男が走り出す。「逃げるなよ。質問しただけじゃないか」溜息をつくヴァゼット。そして溜息をついた次の瞬間、それが残像であることに気づく。「来るなぁあああ!」男が叫んで、ポケットから紙をだし、そこに走り書きで術式を描く。『五色の融合(エレメンタルフュージョン)!!!』色とりどりの、ビー玉のようなものが、紙から飛び出す。「五色もってるんだ。すごいね」ビー玉のような球体をかわし、ヴァゼットが背後にまわってくる。「でも所詮五色。それにそんな中途半端なやつじゃ、俺を自由にはできないよ」ブウン!!!という刃が風を切り裂く音が男の鼓膜を震わせる。「あっ・・・アァァアアアアア!!!」ビチャリ・・・。血がはねる音が、肉を切り裂く音がする。「やっぱり」ヴァゼットは血沼の中心で笑い始めた。それは狂っているとしかいいようがない、笑いだった。「アッハハハハハハハハハ!!!!!やっぱり!!!アナタしかいないんだね!!アレイスター!!!『俺達』を呪縛から解放してくれるのは!!!アッハハハハハハハハハ!!!」何分間ヴァゼットは笑っていただろう。笑い終えるとヴァゼットは正気にもどっていた。「アレが・・・今回の標的だね?アレイスター」バンダナで隠れていた目が赤黒く光り、グラウンドを見下ろす。そこには白亜たちがいた。『ああ・・・そうだ』闇が埋めく暗闇のなか、アレイスターはその闇に同化し、浮いていた。仮面越しに、アレイスターが邪悪に嗤った。―――「馬鹿(土門)も使いどころ」終わり。