孤独な道標 【第十二章】~目論見②~
【第十二章】
≪目論見②≫
私がトイレを出るころ、洗面所では一人の女性が化粧直しをしている。
トイレの扉を開け外へ出ると、淳介は多目的トイレの前に立って私を待ち伏せていた。
トイレに通じる通路は、多目的トイレを挟んで手前側に男性トイレがあった。女性用トイレは一番奥だったから、私はその道を通り抜けて店舗のほうへと行かなければいけない。
通路のなるべく壁側を通って多目的トイレの前を通り過ぎようとしたとき、淳介は私の手を掴み一瞬のうちに開けた多目的トイレの中に私を引きずりこんだ。
一瞬なにが起こったのか理解できないほど素早い動きだった。
すぐさま出ようとしたが、淳介のものすごい形相に怖気づいた。
「俺も、本当はこんな手荒なマネはしたくはないんだ。それは、おまえが一番よくわかっているだろう?」
「こんなことしたら自分の身が危なくなることくらいわからないの?」私は淳介に反抗的な口調で問いただした。
カッとなった淳介は無理矢理、力づくで抱き締めてきた。
淳介のパターンは毎回こうだ。自分が男だという事、弱い者には力づくでねじ伏せようとするところも、昔と何も変わっていない。
手首を強く掴まれ、腕を上げさせられた。そして、淳介は私の薬指にはめられた指輪を取ろうとした。
「ちょ・・・ちょっとやめてよ!」
無理矢理、指輪をはぎ取られた私は、「返して!返して!!」と必死で訴えた。
淳介は便器の中に何度も指輪を捨てる素振りを見せ、その度に私が「やめて!お願い!!」と言うのを楽しんでいるかのようだった。
「そんなに返してほしいか?そんなにこの小せぇー指輪が大事か?この指輪無くしたって言ったら雑魚は悲しむだろうな?」
「おねがい・・・返して!!!」
「じゃあ、なんでも俺の言うこと聞くか?」
「うん、わかったから返して!」
「絶対だな。」と顎を持ち上げ言った。
「うん。」と頷いたあとに淳介は
「なら、やらせろ。俺の子を孕めよ。」
「なに言ってんの?出来るわけないでしょ?」と私が頑として嫌がると、淳介の顔は一瞬とても悲しそうな顔をした。
「そんなに雑魚の肉棒がいいのか?」と質問されたが答えなかった。
すると、何も答えない私に対し怒り出し、私の手首に噛みついた。最初は耐えていた。淳介は私に優しいはず・・・でもその噛む強さは増していき耐えられなくなった私は涙を流しながら痛い・・・といいながら淳介の股間を膝蹴りした。すると、淳介はさらに怒り出し、より一層強く噛んだ。
「じゃあ、ご主人様やめてくださいと言え!」と言われたが、何も答えなかった。
「また噛まれたいのか?」
「・・・ご、ご主人様やめてください。」と、私は無理矢理言わされた。