孤独な道標 【第七章】~拒否①~
【第七章】
≪拒否①≫
男の甲斐性がわからない奴隷は「別れたい」といいやがった。ふざけるのもいいかげんにしろ。
ご主人様は奴隷を何人も囲う事が出来るんだ。それがどうもわからないらしい。
奴隷は絶対服従。ご主人様がどんなことをしようが反抗することは決して許されない・・・はずだが、どうなっているんだ。
俺の部屋でした行為は奴隷と仲良く話している友人の男に対する嫉妬。この2人を引き裂いてやりたくなった結果だった。
奴隷に発見されたのは大誤算。
「ごめん。酔ってたんだ・・・。」とっさについた嘘だった。
「もう、言い訳しなくてもいいんだよ、終わりだから。」奴隷の表情は冷徹になっていた。
「ごめん。でも、俺は出してないし・・・俺はみるくとじゃなきゃ出せないし。」次々と口から出る言葉に奴隷はますます冷めていくのがわかった。
何が悪い、何がいけない・・・俺は奴隷と仲良く話している男を懲らしめたかっただけ。俺は奴隷の別れ話を本気にするつもりはさらさらなかった。
次の日から奴隷はメールも電話も俺にすることはなかった。こちらからメールをしても返信はなし。携帯に電話しても着信拒否をしているようだった。
奴隷は本気なのか?俺から離れられるワケないだろう。
奴隷の自宅で帰りを待った。そういえば、昔もこんなことをしていたな・・・。
深夜、いつまで待っても奴隷が帰ってこない。一体どこにいったんだ。
そういえば俺は奴隷に合鍵を渡していたが、奴隷からは合鍵を渡しても貰っていなかったな。こんなことになるんなら、合鍵を貰っておくんだった。
3年前は、奴隷を俺のものにしたくて、行動を見張ることなんてちっとも苦じゃなかったが、いざ奴隷になった相手を待ち伏せているのだと思うと苛立たしさを感じる。
仕方なく自宅に帰り、奴隷のいない部屋でオンラインゲームをすることにした。もう一つのテレビにはスナッフビデオを垂れ流す。
奴隷にも以前見せたことがあるが、それを見てよく気持ち悪がっていたっけ・・・。そう、奴隷は俺が調教したんだ。俺がいなきゃ生きていけない身体にもう既になっているはずだから、ひょっこり俺の元に戻ってきてまた跪くだろう。
翌朝、仕事を休み奴隷の職場へいつもの手段を使い様子を見に行くことにした。
受付嬢はもう手なずけている。
「藤井みるくさんを呼んでいただけますでしょうか」
「申し訳ございません。本日藤井はお休みを頂いているようですが・・・。」
「そう・・・ですか。ありがとうございます。」
休んでいるのか。俺からのメールにも返信しないでどこで何をしているんだ。俺にまたお仕置きをされたいのか。
俺は奴隷にメールをした。返信は期待していなかった。
「みるく、いまどこにいる?俺が悪かった。」
「みるく、話せばわかるよ。とりあえず、話をしないか。」
「みるく、もう一度やり直せないか?」
「今日は仕事を休んでどうしたんだ?心配してる。」
「連絡がないと仕事が手につかない。連絡をくれ。」
「みるくが俺を捨てないことくらいわかってるんだ。何かの冗談だろ」
「奴隷契約書があるのを忘れるな。そして婚姻届のことも」
一日待ったが、まったくメールの返信はなかった。