『まっすぐ進め』
石持 浅海、河出文庫、2014年
「その歩みにー私も連れて行ってくれない?」
川端 直幸が書店で一目見て惹かれた女性・高野 秋。その透明な表情に直幸は目を奪われたが、奇妙なことに彼女は左腕にふたつの時計をしていた。
そして直幸はふたつの時計に秘められた秘密にたどり着いたことで、直幸と秋はお互いを大切な存在と認め合うことになる。
その後もふたりは身の回りで起こる様々な謎を解き明かしながら絆を深めていく。やがて訪れる秋の誕生日。直幸は秋に連れられ彼女の故郷へ。そこで明かされた衝撃の過去とは。
男女の出会いから始まり、やがて彼女の衝撃の過去が明らかになる中で、日常の謎を推理していきます。
相変わらず心理的なロジカルぶりが際立っていて、こういうときはこう思うはずだ、だからこう行動するはずだというロジックが、言われてみればそうだと思うことが多々あります。
ふたつの時計をはめている謎から始まり、ふたりで別々のビンでワインを注文している男女、親元に帰りたがらない3歳の少女などなど普通そうで実は奇妙な謎をご覧ください。