『ブックキーパー 脳男』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『ブックキーパー 脳男』
首藤 瓜生、講談社文庫、2023年




異常犯罪に特化したデータベース作成の中で浮かび上がった3つの殺人事件。犯行場所はそれぞれ遠く離れていて、被害者たちの接点も皆無。しかし、それぞれ拷問を受けた跡は見つかっていた。そして愛宕おたぎ市でも氷室財閥の当主が拷問を受けた末に殺害される事件が発生。


警察庁の鵜飼 縣うかい あがた愛宕市へと出向き、所轄の茶屋刑事と共にこの事件に臨むが、警察によってもみ消された交通死亡事故、不可解な天下り、正体不明の集団に付け狙われるジャーナリスト、茶屋も命を狙われ、精神科医の鷲谷 真梨子にも危機が。


混迷を極める事件だが、そこに逃亡中の鈴木 一郎も現れる。彼はなぜ愛宕に戻ってきたのか。事件の鍵を握る「ブックキーパー」とは何者なのか。

それぞれの善悪が絡み合い、事件は驚愕の真相へと突き進む。



   



脳男シリーズ。


全国バラバラの場所で起こっていた殺人事件。データ上は接点のない被害者たちだが、拷問を受けていたという共通点だけはあり、縣(♀)が茶屋と共に捜査にあたりますが、そこにあの鈴木 一郎が関わってきます。
今回はストーリー的にも鈴木はおとなしめです。どうも裏で動いてる感はあるけど、果たして?という謎も孕んでいます。

そして、ラストにはある登場人物の驚愕の出自も明らかになり、鈴木が
愛宕に戻ってきた理由も察せられます。
事件も様々なものが絡み合っていて、やがてすべてが一本に合流していく様が京極堂的で圧巻ですね。