『性善説に蝕まれた日本 情報に殺されないための戦略』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『性善説に蝕まれた日本 情報に殺されないための戦略』
ケント・ギルバート、三交社、2019年



21世紀型の戦争といえば〝銃声なき戦争〟たるサイバー戦争でしょう。相手国の政府・軍事機関のサーバーをハッキングしてデータを盗んだり書き換えたり、ウイルスを仕込んだりシステム自体を破壊したりなどなど。

日本人は情報を収集して分析することが不得手、どころか軽視しているように思えるとケントさんは言います。



日教組が幅を効かせる教育現場では、先の大戦において、なぜ戦争を始めたのか、どうして戦争に負けたのか、それを学ぶべきなのに、ただ戦争は悪だーしか言わない。確かにこれは「教育」じゃないわな笑



日本人の性善説に基づく独特の世界観。お天道様は見ている、というやつですね。しかし、ケントさんはこれを理解できるのは同じ価値観を共有する日本人同士であり、国際社会では説得力を持たないと言います。

治安がよく教育程度が抜群に高く、他国と接する機会があまりなかったことで、共同体意識を強固にして社会に「和」をもたらした。

日本人は潜在的に「秘密」を悪だと思っているようにケントさんからは見えるそうです。特定秘密保護法という国際社会の基準からすれば当たり前の法律にすら激しい抵抗があったことを引き合いに出し、天下の悪法のように喧伝したのは無責任野党とマスコミだけど、一般大衆がそれに踊らされたのは「秘密」という言葉に反応したのではないかという見方ですね。



そんなところから、情報戦にまつわる様々な話題を取り上げています。

アメリカ人の目から見たら、日本人はそう見えてるんだなって感じ。もちろんケントさんは日本を愛してくれているからこその提言だし、我が国も海外と付き合っていくなら向こうのやり方や考え方なんかを学んで使うときは使わないといけませんね。