『和歌で読み解く天皇と国民の歴史』
古宮 春人、育鵬社、2020年
天皇に関する高校生や浪人生の意識について、大学受験の予備校で国語の古文を教えている古宮氏の直感・経験から30年前は「無関心」や「軽侮」。ところが最近の若者は、歴代天皇は立派な人たちだったという話を聞きたがっているとのこと。
本書によく出てくるワード「天皇家の二つの家訓」として「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅(しんちょく)」と「神武建国の詔(みことのり)」を紹介しています。
簡単に言えば「天壌無窮の神勅」とら天照大神が邇邇芸命に対して、「地上は私の子孫が治めなさい」というもの。そして、「神武建国の詔」は「八紘一宇」ってことですね。
そんな天皇と国民との関係を、和歌から読み解こうという本書。特に古代の天皇の想いを知りたければ、詠まれた歌から察する以外になかなか方法がないですからね。
国民と共に豊作と繁栄を喜ぶ歌を詠んでいた第15代・応神天皇から始まり、上皇陛下まで。
一昔前の日教組のことも語られていて、ほんと良い時代になったというか、元に戻ったという方が正しいのだろうけど、そんなことを考えながら歴代天皇の歌に浸ります。
この間は歌会始もあったしね。