『監獄島<上・下>』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


『監獄島<上・下>』

加賀美 雅之、光文社文庫、2012年

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「人間の考えた謎が、同じ人間によって解けない筈はありません」


マルセイユの沖合い20キロの洋上に浮かぶ孤島、通称“監獄島”。その島にある刑務所・タントワーヌ刑務所で大がかりな陰謀が進められているとの密告文がパリ警視庁へ送り付けられる。
真偽を確かめるべく予審判事シャルル・ベルトランは、甥のパットや専門家らと共に監獄島を訪れる。

そこにはベルトランと因縁の深い大犯罪者も収容されていた。彼が牢獄の中から姿を消したとき、惨劇の火蓋が切って落とされる。

塔から吊り下げられた炎の絞首刑。独房の中のバラバラ死体。密室から消え、海からそびえ立つ岩柱に突き立てられた被害者の上半身。
惨劇は止まることを知らず、刑務所職員、受刑者、視察団員からも犠牲者が出てしまい、ついにはベルトラン自身も凶弾に倒れてしまう。
怨念渦巻く孤島を舞台にした事件の全貌とは。


   



島全体が刑務所敷地になっているというタントワーヌ刑務所を舞台にした恐怖の連続殺人事件。


謎の怪人物も出てきたり、過去の摩訶不思議な事件(出来事)があったり、不可能犯罪もトリック目白押しで本当に解決できるのか、と言いたくなる謎も論理的に解決をしてくれています。

これだけの分量でも伏線もしっかり生きていて、ボリューム満点の一作でした。
前作
にも増した物理トリックの数々は圧巻。