『自衛隊と防衛産業』
桜林 美佐、並木書房、2014年
防衛費の削減により、崩壊の危機に瀕していた防衛産業。赤字が続き、もはや誇りと使命感で続けている状況だったとのこと。
戦車や航空機なんかも、国内(自衛隊)で使うだけで海外に輸出することもできないし、その自衛隊だって資金がたくさんあるわけでもないし。
そんな中でも我が国は、国産の戦車を作れるそうで、エンジンまですべて国産でまかなえる国ってアメリカを始め数カ国しかないらしいですね。
その戦車製造技術を持っていることは、この国を攻めたら大変なことになると相手に思わせる抑止力になると、ある自衛隊OBの言葉を紹介していただいています。抑止力は大事ですね。
戦車や護衛艦、潜水艦、救難飛行艇、戦闘機、さらには他対艦ミサイルや落下傘まで、あらゆる装備の現場を取材され、そのご苦労や能力の高さを紹介しておられます。
電球ひとつ見ても、凄まじい耐久性が求められ、巨大なハンマーで縦・横いたる方向から叩く試験とかもあるそうで、民生品を気軽に流用するわけにもいかないですもんね。
防衛関連企業は自衛隊と共に国を守るパートナーであるとも力説していて、ほんとそうだなぁと思いました。防衛装備品とはそれこそ下着や靴下まで入るのであって、平成26年度予算では「見せかけの増額」がされただけだったとのことなので、今回は真っ向からGDP2%分を目指してほしいですね!