『サイメシスの迷宮 忘却の咎』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『サイメシスの迷宮 忘却の咎』
アイダ サキ、講談社タイガ、2019年



「俺はこの迷宮から出られない」


9歳のときに誘拐され1年後に発見された羽吹 充は、その際の記憶を失っており、代わりに超記憶症候群を発症していた。その事件の犯人は未だ逮捕されていないが、最近に起こった事件には、その犯人からのメッセージが隠されていたことに気付く。


記憶をリサーチしていた羽吹の下に送られたSNSのメッセージに従い、向かった部屋には他殺体があり、それは羽吹の過去の事件の関係者だったのだ。

この事件に向き合う羽吹は、犯人からの更なるメッセージを受け取る。果たして閉ざされた記憶を開くことはできるのか。



   


シリーズ第3弾。


前回、前々回の事件で、黒幕のような謎の人物から羽吹へのメッセージが送られており、今作では20年前の羽吹少年誘拐事件がリンクしていきます。

1年間行方をくらませていた羽吹。保護された彼の靴に付着していた女性の血液は、迷宮入りとなった殺人事件の被害者のもので、羽吹はその事件に関わらされていたのではないかと考えられています。


その被害者の家族と今回の事件で再び絡み、一連の事件は更なる展開を見せます。果たして羽吹は迷宮を抜け出すことができるのか。

そして相棒の神尾は、羽吹の奥さんみたいな動きが板についてくるのでした…。