『皇統を守る道 『昭和天皇実録』に見る「旧宮家」の真実』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『皇統を守る道 『昭和天皇実録』に見る「旧宮家」の真実』
勝岡 寛次、明成社、2021年





サブタイトルにもあるように、宮家そして旧宮家のことを特に書かれています。



宮家とは「血のスペア」であり、宮家から天皇を立てるケースは何百年かに一度訪れるので、そのためにも重要なお立場なわけですね。実際、今上陛下の直系のご先祖である光格天皇は、閑院宮家から出られた方ですからね。

万世一系を可能にしているのは宮家があるからこそであり、直系を何本かの傍系で支える形で、ときには直系と傍系が入れ替わったとしても全体として神武天皇以来の血統を引き継いでいくことになります。

最近、ちょっと話題になっている女性天皇では、皇統を守れない時代になっているようですし。



それから戦後にGHQからの締め付けによって皇籍離脱をされた11宮家のことも詳しく書かれています。宮家への毎年の歳費を止め、さらに財産の8割を税金として取ってしまい、それぞれの宮家は経済的に立ち行かなくなってしまったわけです。



それでも昭和天皇は菊栄親睦会きくえいしんぼくかいを立ち上げ、旧宮家の方々と変わらぬ親戚付き合いを継続されました。

昭和22年2月には「近く臣籍降下する宮家に対する降下後の宮中における取扱方針」を御聴許され、これにより旧宮家の方々は各行事や儀式などにも参列が許されているそうです。さらには令和の即位礼正殿の儀の席次では、内閣総理大臣より格上として扱われていたそうですね。



竹田恒泰さんによれば平成24年当時で、旧皇族の皇籍復帰が求められる事態になれば、一族としてその要請に応える覚悟を持つ方は増えてきていると仰っているので、今後の流れに注目していきたいところです。