『濱地健三郎の霊なる事件簿』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


『濱地健三郎の霊くしびなる事件簿』

有栖川 有栖、角川文庫、2020年



「何もかもが現象の一言で片づけられて、どんな理屈で動いているのかも分からない世界で、探偵なんてできるんでしょうか?生きている人と死んでいる人の見分けもつかない世界で」


濱地はまじ 健三郎は、霊や怪異が絡む事件を専門に扱う心霊探偵。彼の下には霊的な現象に悩む依頼人や時には捜査一課の刑事も密かに足を運ぶ。


ホラー作家の枕元に立つ女の霊。結婚を考えている交際相手のことを考えると理由のない不快感に襲われる男。殺人事件の容疑者が2ヶ所に同時に存在したのはトリックか生霊なのか。


濱地は助手の志摩 ユリエと共に、霊を視てその声を聞き事件を解決していく。全7編を収録。




   


幽霊が見える探偵・濱地。30歳から50歳にも見える年齢不詳のダンディな男。部下のユリエは24歳。漫画家志望だったこともあり絵が得意で、濱地しか見えない幽霊の姿形なんかを描いたりもします。


タイトルの「霊くしびなる」とは「不思議な・霊妙」という意味だそうです。


幽霊が見えるってのはありますが、それ以外は割とリアル志向の探偵ものかな、と。特殊な能力で除霊するとか霊とのバトルになる領域展k…卍k…ということもなく、ほどよいバランス感覚ではないかと思います。