『女性天皇とその歴史』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。



『女性天皇とその歴史』

吉重 丈夫、PHPエディターズグループ、2020年




第33代・推古天皇

第35代・皇極天皇(=第37代・斉明天皇)

第41代・持統天皇

第43代・元明天皇

第44代・元正天皇

第46代・孝謙天皇(=第48代・称徳天皇)

第109代・明正天皇

第117代・後桜町天皇


歴史上8方10代の女性天皇がおられましたが、例外なく男系でした。いまさら男系女系の説明は不要だと思いますが、天壌無窮てんじょうむきゅうの新勅によるものですね。



本書では知っていそうで意外と知らない女性天皇についてお一方ずつ詳しい話が載っています。さらには、公式には歴代天皇に数えられてはいないものの神功皇后と飯豊天皇の歴史も入っています。

第14代・仲哀天皇の皇后であった神功皇后ですが、仲哀天皇の崩御のあと70年以上に渡って実質的に天皇のお務めをされた方だそうです。もちろん男系女子にあたります。

三韓征伐をされた方で、身篭りながらお腹に石を巻いて出産を遅らせて戦に挑んだという恐るべき伝説も残されていますよね。



飯豊天皇は第22代・清寧天皇の崩御のあと10ヶ月ほど朝政を執られた方。即位式はしておらず、正式な即位だったのかは不明ながら、皇統譜には飯豊天皇として記載されていて、その古墳は「陵」という天皇扱いになっているそうな。



この二方が歴代天皇にカウントされなくなったため、第33代・推古天皇が初の女性天皇ということになっていますが、歴代をみても女性が立たれるのは危機的な状況だからです。皇位継承について揉めるとか、先帝が崩御されて次代がまだ若すぎるからとか、そういった緊急事態に中継ぎとして天皇になられていたのですね。



詳しすぎて難しい本になってますが、より専門的な内容を知りたい方には良いのではないでしょうか。