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私の家はちょっと変わっていたのか、私は子供の頃に大量のマンガを与えられて育ちました。

ただし、流行りの少女漫画は一切なく、池田理代子や里中満智子、いがらしゆみこなど私より一回り上の世代が読んでいたようなものばかり。
そして圧倒的に多かったのが、藤子不二雄。
ものすごく影響されて育ちました。

A先生もF先生もたいていの作品は読んでいたけれど、F先生の作品のほうが好きなものが多かったです。
ドラえもんはもちろんのこと、バケルくん、T・Pぼん、21エモン、チンプイ、モジャ公、ウメ星デンカ、ポコニャン、ジャングル黒べえ、もちろんシュールなSF作品も大好きでした。

A先生の作品は怪物くんが大好きだったけれど、『少年時代』は特別です。
念力や人間以外のキャラクターも出てこなくて、戦争や疎開といった難しい題材については子供心に地味だなぁと思いつつも、一度読みだすと時代も環境も違うのにリアルな登場人物、自分も経験したことがあるかと錯覚するような子供特有の愛憎劇から目が離せませんでした。

そして、映画化作品。
小学生だったか中学生だったかのとき、夏休みの終わりにお祭りから帰ってきたらちょうどテレビで放映していました。
権力の座から落ちたタケシがひたすら耐える描写や、進一とタケシが別れるラストシーン、そこに流れる井上陽水の名曲が強烈な印象に残っています。

ずっと忘れられずにいたけれど、先日BS時代劇『陽だまりの樹』にハマって手塚治虫の原作を買いに走ったとき、同じ棚に置いてあった『少年時代』を見つけて思わず一緒に買って来ました。
再読すると、昔全部読んだはずなのになぜか後半が記憶から抜けていて(映画のイメージに浸食されてしまったのかも)、特にタケシのその後を知って衝撃を受けているところです。

これからは隅々まで忘れることのないよう、何度も読み返そうと心に誓いました。

そして原作の『長い道』(絶版)のamazonレビューを見ると原作が一番面白いとあるので、これはなんとしても読まなければ。

ちなみに私は、小学生の頃このマンガでマサルと進一がユリ根をかじるシーンに憧れて以来、ユリ根が大好物です。
マンガの中の少年たちのように生でコリコリと齧ったりはしないけど(してみたいけど)、母から教えてもらった簡単レシピでよく卵とじにして食べています。
母に教えてもらった思い出と共に、ユリ根は私にとって特別な思い入れのある食べ物になっています。