総天然色 | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

 

 

「深呼吸してください」

「ゆーっくり深呼吸」

「吐く時ながーく時間かけて」

「穏やかーなこと考えましょう」

 

(?)

(んー)

 

真っ白な天井と空色のカーテンを見上げながら、

 

(仲良しだった頃。ほっそりした形のいい指。愛した後ろ姿。)

 

「はい」

「んー」

「もう一回測りましょうか」

 

(え。)

 

「リラックスしてください」

「もーっと」

「リラッークスすることを考えて」

 

(さっきからなんだよその、言葉をながーく伸ばすのは?)

(んじゃ、)

(一緒にお風呂。上がって涼むエアコンの下。で、どーだ?)

 

「はい。」

「138の68」

「いいでしょ。これで。」と看護師のおばはん。

 

はあ。

(お陰様で妄想、じゃない、フルカラーの記憶)

て、

 

いーのかこれ?

 

血圧1回目148の96だったのに、4回測ってどんどん下げたぞ。

ありなのかこれ?

正確な俺の血圧と言えるのか?

 

と言うよりも、

 

落ち着けば俺、この血圧。

ひょっとして俺、穏やかならこの血圧。

とも考えられる。

 

 

 

ひだり。

 

「違います」

 

んー・・うっえ、かな?

 

「上じゃないです」

 

(じゃあ二つしかないじゃん)

右。

 

「そうです」

「では画面変わります」

 

 

この調子で、見えなくなったら教えてくれる視力検査。

これもいーのか?

ありなのか?

 

役所の健康診断て『引っ掛かっちゃいけない割合』が決まってんのかな。「70%以上の職員が概ね健康であることが望ましい」とか?

 

 

 

「あれ。」

「もう一回測りますね」

 

どぞ。

 

「あー」

 

(なんだよ?)

 

「だいぶ痩せましたね」

(検査表見ながら)「あー去年より7キロちょっと落ちてるんですね」

 

(そ、そんなにー⁈)

 

「腹囲も立派です」

「基準内」

「ここまで落とすの大変だったでしょう?」

 

(いやぜんぜん。)

はぁ。

どうも。

ありがとうございました。

 

 

去年。

てーことは春か。

働く前の成人病検診だ。就職前ひと月以内だからそのままコピーを提出。データになってんだな。

 

あの頃かー

 

再び鍛え始めたばかりでダレてたんだろな。ヤケクソとも言える。不満と嫉妬、怒りと諦めを原動力にしちゃいかんてことだね。

ずーっと俺言ってるよね「嫉妬と自己憐憫は人間の最も下等な感情」て。

 

そういう意味では、今は多少落ち着いたのか。

 

いーえ。

んなわきゃねー

 

 

 

さいにょー心電図心音身長ちん長(うそー)聴音やって、

「ぶっすり」採血されて健康診断終り。

今回も何にもなさそう。

再来月内視鏡希望した。

だってただだし。

 

 

無駄に健康は続く。