職場でトイレに入ってしゃがんで、出て手を洗おうとして、
何もしてない。
何も出してない。
考え事だけして出て来ちゃった。
「くるり」個室に戻る。
だーいじょーぶか俺?
何をやってるんだ俺?
何もしなくてもお金貰えるんだけどね。
何もしないことを誰も悪く言わないんだけどね。
「いつかまた忙しくなる(かも)」を前提にしてるからね。
これでいいと言われればこれでいい。
うちがほんとに忙しくなったら只事じゃない。
そらそーだ。
誘ってくれてる職場の方が、忙しくて毎日充実するだろう。何より必要としてくれてる。
でもね、
途中で投げ出したくはない。
環境が悪いわけじゃないし不満があるわけでもない。
世の中が平和だから俺達がひま。
それはいいことだ。
「もう要らない」
「もうここお終い」
そう言われるまで、自分のことを考えようか。
あれ以来ずーっと無茶してガタが来た関節の回復。
停滞気味のギターの上達。
楽して暮らして、とうとう住めなくなったこの家から引っ越し。
なんとかなるよ。
多分。
廊下で前を歩いていた、この施設で一番偉い人。
立ち止まって「くるり」振り向いて、
「kenさんはどこか応募してるの?」
いえ。
自分は全く。
どこもしておりません。
(そら来た。だがそこじゃねえ。後ろ歩いてるのが何故俺だと分かった? 忍者かお主?)
「そうなんだ。」
「何で?」
せっかく呼んで頂きましたので、こちらが終わる迄、働かせて頂こうと思ってます。
人それぞれ色んな考えがあるとは思いますが、自分には無責任に感じます。
「そっかぁ」
「まぁkenさんならね、どこでも欲しがるだろうからね」
(いやだからさ、その根拠は何だよ?根拠はよぉ?)
それはおんなのひとにいわれたいもんだ。