こんにちは。
認知症リハビリテーション専門士の菅野洋子です。
突然ですが……
押し入れや棚の中が物でいっぱい!
部屋の床やテーブルの上にいろいろなものが積まれている。
家の中を片付けたい!
でも重い腰が上がらない……と、
憂鬱になっている方はいらっしゃいませんか?
お母様の介護をされている方から、お母様と自宅の整理をされた経験を伺い、
良い方法だなぁ!と、とても参考になったので、シェアさせていただきます。
ある日、断捨離中のお母様の押し入れから、10個以上の雨ガッパが出てきたそうです。
まだ使えるものだったのか、初めは
「全て残す!」
とお母様はおっしゃっていたそうですが、
「それだけのカッパを、誰がいつ着るの?」
という話から、最後は
「こんなにいらないね」
と、ご本人から笑いが出たとのことでした。
娘さんと一緒に行う断捨離は、お母様にとって「とても楽しかった!」
「自分を大切にしてもらえている」
と感じる時間になっていたようでした。
普段の生活よりも会話が広がり、今まで話題に出なかったことや、ずっと忘れていた記憶を思い出す良いきっかけにもなったり、思考の整理や、本当に大事にしたいものが見えてくるかもしれません。
1つ1つ手で触って、目で見て感覚を使いながら、過去の事〜現在、そして今後のこと頭に浮かべ、これが必要か、必要でないか、使える状態か、どれを残すかを決めていく。
この一連の作業は、脳の前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉の脳機能をフルで連携させて使っていることになります。
〝判断する〟 これは前頭葉の脳機能です。
認知症状が出てくると、この判断という部分をご家族が担うことが増えると思いますが、
ご自身で判断するチャンスを可能な限り残すことは、脳機能、意欲を保つ観点からも大事なこと。
というわけで、少しずつ断捨離を試してみませんか?
目の前に大切なものを、使うものが残ることで、視覚情報が整理され、注意力や集中力(これも前頭葉の機能)にも
良い効果があると思います。