松林の1本道も幻想的?!
この道をもう何年・・・走っているのだろう?
この松林を抜けた先に、我が子が通う小学校がある。
朝うっかり寝坊してしまった時や、公文教室に行く火・金曜日や
すごく風がきついとか、大雨が降ってきたとか・・・そんな時・・・
私は車に乗り込み、この松林の中を小粋に走り抜ける。
この先は十字路だとか、この先にどれくらいのカーブがあるのかなど
目で確認しなくても、体がハンドルさばきで覚えてしまっている。
そんな走り慣れた松林の中の1本道・・・。
今日みたいに路面が白1色に覆われると、嫌でも思い出すことがある。
うっかり寝坊をしてしまった冬の寒い朝・・・。
慌てて支度を急ぎ、車に乗り込み、凍てついたフロントガラスに
ぬるま湯をかけ、発進させた。
急いでいるにもかかわらず、路面は降り積もった雪で白くなり
速度を落とすことを余儀なくされた。
慎重にゆっくりと、いつもの倍の時間をかけて学校へ向かう。
ヾ(´ε`;)ゝ ふぅ。。。私は雪道の運転には自信がなかった。
でもこれくらいの雪なら屁でもないわっ・・・ほらっ、ねっ!
ゆっくり走ればな~んてことないのよっ(‐^▽^‐) オーホッホ
私には 隙 があったのかもしれない・・・。
そして私はほんの少しだけ 油断 をした・・・。
あっ・・・・・
車は完全に方向を見失っていた・・・。
立て直すどころではなかった・・・。
考える時間がなかった・・・。
その瞬間・・・私にできた唯一の事・・・。
それが『あっ・・・』 だった。そう叫ぶしかなかったのだ。
道路の脇に順序良く並んだコンクリート製の杭を、
3本も4本もなぎ倒し、車は松林の中へと突っ込んでいった。
大きな松の木が目の前にあった・・・。
幸いな事にその松の木の1歩手前で、車は止まっていた・・・。
そこではじめて私は大きく息を吐いた・・・ε- ( ̄、 ̄;) フゥー
そして思った・・・。
GAME OVER
σ( ̄。 ̄)も今どきの若者と同じだなぁ・・・なんて思った。
免許取り立ての頃、近所のショッピングセンター(6階建て)の立駐で
長いスロープを滑るように、壁に激突した時も思った・・・。
GAME OVER
しかしこれはゲームではない!リトライもなければ、リセットもない。
私は慌てた・・・。
車が前にも後ろにも動かない・・・。
こういう時は・・・あっ(* ̄o ̄)σ・・・ひいきにしている車屋さん!
電話しなきゃ・・・あっ(* ̄o ̄)σ・・・携帯持ってない、財布もない!
┐( ̄ヘ ̄)┌ ・・・家まで歩くしかなかった・・・。
傘もなく雪の降る松林を、トボトボと歩いて帰り事故処理だ。
松林を管理している事務所に報告&平謝り・・・。
そこの事務所の人いわく・・・
『松の木にぶつかってませんか?
松の木は無事でしたか?
松の木は無傷ですか?』
え?(゚Д゚≡゚Д゚)?え
松の木、松の木・・・って、私じゃないのか?
私に傷はないか?大丈夫か?って聞かへん?普通・・・
・・・_| ̄|○ ガクッ…
ここ気比の松原は三保の松原(静岡県)・虹の松原(佐賀県)と並ぶ
日本三大松原のひとつとされている。
いくらそんな松だって、人様の命の方が大事やろ?えぇ?!
私って・・・
私って・・・・・・
松の木以下ってこと?
・・・_| ̄|○ ガクッ・・・
私は思い返していた。
動かない車にオロオロしている若い女が1人・・・(いや、若くないか・・・)
その横を通り抜け、走り去るドライバー達・・・。
おいっ! 普通・・・助けてくれへんかっ?!
なんで誰1人、私に手を差し伸べんのやって!
私は錯覚していた。
まだまだ若くて、か弱い女で通じると・・・。
忘れたくとも・・・この路面を覆う白い雪を見ていると
あの頃に味わった人間として、女としての屈辱が思い出されてしまう。
私は松の木以下・・・
私は松の木以下・・・
私は松の木以下・・・
私は松の木以下・・・



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