[花言葉 「 栄光 」
《 グロリオーサ(Glorimsa)》]
ユリ科の蔓性多年草で、熱帯アフリカ
原産 です。
葉は笹の葉状で、先端は巻きひげと
なります。
花は黄色地に濃紅色または、
オレンジ色で、花は細く大きく反転
します。
グロリオーサの由来は、ラテン語の
「栄光、立派」からきた名前です。
アフリカ、熱帯アジア原産の花らしく、
燃え立つような華やかさがあります。
昔、江戸の町外れで、一人の男が
泣いていました。
そこへちょうど、名奉行で有名な
大岡越前が通りかかったのです。
「これ、大の男が、一体何を泣いて
いるのだ?」
越前が声をかけると、男は顔を
上げて答えました。
「はい、わたしは油売りで
ございますが、今日の、売り上げ金の
二百文をカゴの中に入れて、石の上で
一休みしておりました。
ところがいつの間にか、居眠りを
してしまいました。
そして目覚めたときには、
売り上げ金がすっかり消えていたので
ございます」
そう言って油売りは、油の付いた手で
顔をこすりながら、また泣き出しました。
その話をじっと聞いていた越前は、
自分の手ぬぐいを油売りに差し出して
言いました。
「ここ出会ったのも何かの縁だ。
一つ、わたしが調べてあげよう。
だから泣き止んで、油だらけの手と
顔を拭きなさい」
「はい、ありがとうございます。
お客様にも、よくおつりが油で
汚れていると叱られています」
「そうか。まあ、油で汚れたおつりを
もらっても、気持ちの、良い物では
ないからな。して、一休みしていて
売り上げ金を盗られた石というのは、
その石か?」
「はい、この石でございます」
すると越前は、腕組みを、したまま
しばらく考えていましたが、やがて
男に言いました。
「では、売り上げ金を盗んだのは、
この石に違いない。
よし、さっそくこの石を裁きに
かけよう」
越前は、おつきの物に重い石を
奉行所まで運ばせると、今から
石泥棒の裁きを始めると町中に
ふれ回ったのです。
すると町の人たちは、珍しい裁きを
見ようと、ぞくぞくと集まって
きました。
「しかし大岡様は、本当に石を裁く
のだろうか?」
「もしかすると、働き過ぎて頭が
変になったのでは?」
間もなく、石の裁判が、始まりました。
越前は、石に向かって言いました。
「そこの石よ、お前が油売りの金を
盗んだであろう。正直に答えなさい」
しかし石が、返事をするわけが
ありません。
「どうした?正直に白状して金を返せば、
今回だけは大目に見てやるぞ」
もちろん、石は何も言いません。
「どうして何も言わない!この越前を
馬鹿にするのか!」
越前が石に向かって真面目に取り調べを
するので、その様子を見ていた見物人たち
は、あきれかえってくすくすと笑いました。
すると越前は、見物人たちに怖い顔で
言いました。
「裁き中に笑うとは、何事だ!
今、笑った者たちは、罰として
三日間牢屋に入れる!」
それを聞いて、見物人たちはびっくり
です。
「何とぞ、お許し下さい。今後は絶対に
笑ったりしません」
それを聞いた越前は、見物人たちに
言いました。
「よし、それでは今回だけは許す事に
しよう。しかしその代わり、罰金として
一人十二文ずつ納めるのだ」
そして越前は、大きなうつわに水を
いっぱい入れて持ってくるように
命じました。
「さあ、このうつわの中に、罰金を
投げ込むがよい。投げ込んだ者から
順に、帰ってもよいぞ」
見物人たちは罰金を入れる為に並ぶと、
一人ずつ、そのうつわの中にお金を
投げ入れたのでした。
すると五人目の男が、お金を入れた
時の事です。
水の上に、ギラギラと油が浮き上がった
のです。
それを見て、越前が叫びました。
「この男が泥棒だ! すぐに捕まえろ!」
五人目の男はあわてて逃げようと
しましたが、すぐに役人に捕まって
しまいました。
そして役人が捕まえた男を調べると、
ふところから油のついたお金がたくさん
出てきました。
数えてみると、油のついたお金は、
うつわに入れた分を合わせて、ちょうど
二百文ありました。
越前は、油売りの男から盗んだ
お金なら、必ず油が付いていると
考えてこの作戦を、思いついたのです。
取り調べると、五人目の男は寝ている
油売りから売り上げ金を盗んだことを
白状しました。
越前は油の付いた二百文を油売りに
返すと、言いました。
「油売りよ。盗まれた金は、これで
全部戻ったな。もう悲しむ事はないぞ。
それから、泥棒を見つける協力を
してくれた石に礼を言うのじゃぞ」
「はい。ありがとうございます」
油売りは越前と石に何度も頭を下げて、
帰っていきました。
「うむ。これにて、
一件落着!」
(おしまい)
油売りさん、お奉行様に、
出会えて、よかったですね。
でもね、悪い事をした、
悪人は、いつか、きっと、
必ず、
「バチ が、あたります」
今日は、こんな言葉、
思い出しました。
「天網恢々
疎にして漏らさず」
読み「てんもうかいかいそにして
もらさず」
意味 天の神が地に張り巡らした綱は、
ゆったりして粗いようであるが、決して
漏らすことはなく、捕えられる。
すなわち、悪事を行えば、一時的には
逃げおおせるなど、うまくいったように
みえるが、結局は、捕えられ、その
報いを受けるということ。
お天道さまは、みていて
くれますよ!