[花言葉 「無益」
《 下野 (しもつけ) 》]
バラ科シモツケ属の、落葉小低木で、
夏になると、茎頂に淡紅色の小花を
密生させます。
主に観賞用に植栽されています。
名前の由来は、蕾(つぼみ)に霜のような
白い粉があるため、「霜付け」から
きたという説と、下野国(しもつけのくに
→栃木県)で、初めて発見されたからと
いう説があります。
『商売仲間』
ある町に、お茶売りがやってきて、
「新茶、いかがですか。かおりのいい、
新茶は、いかがですか」
と、声を張り上げると、すぐ、後ろから
粉をふるう、『ふるい』という道具を
売る男が、
「えー、ふるい。ふるい」
と、声を、張り上げて、ついてきます。
「新茶ぁー、新茶ぁー」
「ふるーい、ふるーい」
町の人たちはこの売り声に、首を
ひねりました。
「なんだ? 新茶だか、古いお茶だか、
さっぱり分からんぞ」
おかげで、お茶はぜんぜん
売れません。
お茶売りは、ふるい売りに文句を
言いました。
「やい!お前が、『ふるい、ふるい』と
言うもんだから、おれの新茶が
ちっとも売れんではないか!
商売のじゃまをするつもりか?
もっと、はなれて歩け!」
ふるい売りも、負けずに言いました。
「ふるい売りが、『ふるい、ふるい』と
言って、何が悪い」
「何だと、このやろう!」
「何っ。やるか!」
二人は商売そっちのげで、けんかを
始めました。
するとそこへ、
「待て待て、けんかをやめんか」
と、くず鉄などを買って歩く、古金屋が
入ってきました。
「たしかに、新茶とふるいでは、
けんかになるのも無理はないな。
しかし、おれが仲間に入れば、
商売がうまくいくにちがいない」
「それは、どういうわけだ?」
「うむ、かけ声の順番をこうするのだ」
古金屋の説明に、二人は納得して
商売を開始しました。
まずは、ふるい売りが、
「ふるーい、ふるーい」
その次に、古金屋が、
「ふるかねぇ、ふるかねぇ」
最後に、お茶売りが、
「新茶ぁ、新茶ぁ」
この変わった呼び声に、町の人たちが
大いに集まって、三人はとても
よい商売をしたのです。
(ふるい)
♪ちゃんちゃん(おしまい)