ピルの重大な副作用に血栓症があります。
血栓症には、静脈血栓症(主に下肢にできる→肺塞栓の原因)と
動脈血栓症(心筋梗塞・脳梗塞の原因)があります。
ピルはどちらのリスクも増加しますが、
問題となるのは、静脈血栓症です。
前々回にも書いたように、
今回から血栓症について触れていきますねピルの服用によって、
静脈血栓症のリスクが高くなる、ということを知っておく
ピル(女性ホルモン)によって、
血液の凝固因子(血を固める因子)と
線溶因子(血の固まりを溶かす因子)に影響を与えます。
特に服用開始3か月以内が最もリスクが高いことと、
1か月以上服用していない期間をおいて
ピルを再開する場合は、服用開始時の
「最もリスクが高い時期に戻る」ので
要注意です
静脈血栓症のリスク因子に年齢があります。
こちらの静脈血栓症予防のガイドラインより抜粋
加齢に従い,血液凝固能の亢進や線溶活性の低下 が起こることに加え,筋ポンプ機能の低下,血管壁 の変化が生じることが原因となり,VTE ※の発生頻度 が増加する.欧米の予防ガイドラインでは,40 歳以 上からリスクが高まるとしているものが多い10).
※VTE:静脈血栓塞栓症のこと この2つが重なる状態が、
40代で初めて服用を開始する状態となるので、
推奨しかねるのですよ
(一時中断していて再開する場合も同様)
ただし、これは
「若い=血栓症にならない」ということではありません。
年齢が若くても、様々な因子が重なることによって
血栓症は起きますからね。
ピルを服用している方は
この先に書いていく、
血栓症のリスクが高まる状態について
血栓症の初期症状を知っておく
というところも是非読んでくださいね
(順番は逆にするかも)
ヒトのカラダって本当に、
様々なところでの調節が複雑に絡み合って
保たれてることを普段感じずに生きてるけど
血液凝固作用1つとってもすごいなぁーーーー
と思わずにはいられません