「非認知能力」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
いまの小中高大学生は知っているのではないかと思います。
先生が「今は非認知能力の時代」とか言うと思いますので。
非認知能力とは、IQや偏差値ではかることのできない、リーダーシップや共感性、独創性などの能力を指します。
これはいつから重視されたのだろうと思って、調べてみました。
ついでに勉強の意識への変容についても書いていきます。
まず、いわゆるスパルタ教育が導入されたのは明治初期のようです。
戦後,「スパルタ教育」という言葉が人口に膾炙したのは,1969(昭和 44)年に出版された石原慎太郎の『スパルタ教育:強い子どもに育てる本』がベストセラーになったことが大きく影響している。
鈴木 円の論文 日本における「スパルタ教育」理解 より引用
ということは、今55歳前後の方々は、スパルタ教育の影響を強く受けているのでしょう。
その後、スパルタ教育の転換期というとゆとり教育しか思いつかなかったのですが、
ゆとり教育(1987年から2004年だそうです)
のあたりにスパルタ教育から脱却したと考えてよいでしょう。
そこで、
そういえばドラゴン桜はそのあたりの出版ではなかったろうかと思い出し、
調べてみたところ、
2003年からのようです。(wikiより)
ただ、
作中での「いまはブラックボックスのような脳みそが求められている!」というような発言が、どこでの発言だったか思い出せません……。
ですから、
2006年あたりの発言と仮定すると、
その頃は「知識の応用力」が求められたといえるかもしれないのですね。
となると、
ゆとり世代の方々はいま37歳前後ですから、
そのあとほどに知識の応用の重要性に目が向けられた時期といえます。
そして、いきなり飛んで、
非認知能力の話。
OECD(経済協力開発機構)では、2015年に「非認知能力」の定義を公表し、PISA(国際的な学習到達度に関する調査)にも反映しています。
https://www.shogai-soken.or.jp/non-cognitive-skills/ より引用
という記述から、
少なくとも2015年には、
教育界に非認知能力というものが認知されたのでしょう。
2015年は9年前ですから、そのときの大学生は27〜31歳ですね。
ただし、すぐ浸透するわけではありません。
となると30代の方々は、
認知度はどのくらいでしょうか。
結構最近だったのだと知って驚きです。
たしかに教育論や発達心理学の本の類にも、最近になって「非認知能力」のワードが見られるようになってきました。
これから広まっていってほしいなぁ、と思います。