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保乃ちゃんは、とても寝相が悪い。

悪いどころか動きすぎて、実は起きてんじゃないかなってたまに思う。

今日も今日とて、一人なら余裕のあるはずのベッドでよくわからない寝言をつぶやきながら寝ている。そんな姿もかわいくて笑みがこぼれる。

それから隣にもぐりこみ、苦しいからヤダって昨日も言われたけど、そんなのは関係なく、身動きできないにくらい抱きしめ、くっついて眠る。


「ひぃちゃん…」

「あ、ごめん起こした?」

「…うん。ひぃちゃん、くるしい、、」

「うるさい。」

「んんぅ…」


保乃ちゃんは、体温が高い。

いや、普通なのかもしれないけど、私が冷たいから、余計に熱く感じる。

その熱に添うようにぴたっとくっついて寝るのが、好き。



「…ひぃちゃん、つめたい」

「保乃ちゃんが熱いんだよ」

「ひぃちゃん…」

「眠いなら無理せず寝て?」

「…ひぃちゃん…」

「うん、おやすみ」



何か言いたいけど、眠気には勝てないらしい保乃ちゃんは、正直とても可愛い。

保乃ちゃんのお腹に両足を絡ませ、首にしがみつく。保乃ちゃんが起きてる時には絶対にできないこと。

眠っていいよって言ったけど、ちょっと触りたくなっちゃって、そっと髪に触れる。

綺麗な髪、白い肌。

目の前にある首筋に唇をつけ、そのままマーキングをするように押し付ける。


なんとなく、手に触れたくなって、腕をたどって、手を探していたら、突然手首を掴まれた。

「…誘ってるの?、ひぃちゃん」

「あれ、起きてたの?」

「そんなことされたら眠れない…」

「保乃ちゃん、、かわい、」

「ひぃちゃん…」

「…ん?」

「…きて」


体を起こしキスをしながら、真下にいる保乃ちゃんの服を脱がす。

 

期待しているような、余裕ないような表情が可愛くて、ついにやけてしまうと口づけをされ、なに笑ってるの、って怒られた。


 

 

「すき…保乃ちゃん」

「…」

「ねえ、すき」

「っわかったから…もう、ちょっと黙ってて!」

「ふふ、なんで?」

 

「ひぃちゃんの服、脱がしたことないんやもん。緊張しててん。、、、急にひぃちゃんが脱がせてなんていうから、」


私のブラウスのボタンを外していく保乃ちゃんをちょっと煽ってみたら、真っ赤な顔してまた怒られて、ブツブツと文句を言いながらも言うと通りにしてくれる。その顔も可愛いなんて思いながら、心地いい保乃ちゃんの温度に身を委ねた。



 

 

ーーーーーー



「んー…」

「おはよう、ひぃちゃん、」

「…保乃ちゃん…もう行くの」

「うん、ちょっと早めに。出るとき鍵閉めてね。朝ごはん置いてるから、食べるなら食べて」

「…おかーさん」



もうばっちり外に出れるスタイルの保乃ちゃんに、ボサボサ髪の眠たい私。

いってらっしゃいと言おうとしたら、首に手が掛かって、ちゅうされる。


「…お母さんは、こんなことせぇへんやろ?」

…たしかに。

自分からしたのに照れてるらしい保乃ちゃんは、そそくさとカバンを持って行ってしまう。

「いってきます」

「いってらっしゃい」


照れてる顔も可愛いなぁって思いながら、ブランケットにもぐり込めば、まだ残る保乃ちゃんの温度と匂いにくるまれて、もう一眠り、もう一眠り。