2007年6月 株式会社エムアウト 中原様 講演会議事録 | ベンチャー交流会 En25 (アントレプレナー25)

2007年6月 株式会社エムアウト 中原様 講演会議事録

■中原様経歴

・戦略コンサルティングファームマッキンゼー&カンパニーに
4年半勤めた後、株式会社エムアウトに入社。

・実家が鹿児島で水産卸、加工の事業を営んでおり、経済、経営が社会に良いインパクトを与えるのを目の当たりにしながら育ったことが現在のキャリアの基礎になっている。

・大学卒業後、マッキンゼーへ。

マッキンゼーに行ったのは色んな会社を短い期間で見られると思ったから。

入社当時は3~4年で実業に移ろうとは思っていたが、コンサルタントのキャリアにも興味を持っていた。

4年半勤務し、コンサルタントのキャリアを続けて歩むよりもやはり実業をやりたいと考え、エムアウトに転職した。

・エムアウトは新規事業を育てることを本業にしている会社。

ベンチャーに対するコンサルティングを担当した後、フードデザイン事業へ。

インターネットでお惣菜を販売するビジネスWish on Dish(http://www.wishondish.com/ )を立ち上げ、運営している。



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■マッキンゼーからエムアウトへ


・マッキンゼーからエムアウトに移った動機


自分で事業をやりたいと思っていたから。

コンサルティングファームの仕事の仕方しか知らないと、実業の世界では通用しないし、コンサルタントとしての成長にも限界がある。また付加価値を出すためにはいくらでもお金を使っていい、といった感覚になってしまうから転職をした。


・マッキンゼーで得たこと


短い時間でいろんなことを整理するスキルを得た。

一方で実際やったことをお金になる(売上げや利益を出す)まで見届けられないことや、自分の腕一本で仕事をしている感じがもてないというもどかしさはあった。



・色んな選択肢の中でエムアウトを選んだのは?


①立ち上げのような仕事に携わることができる②経営者に経営理念があって、哲学的なところを学べる、という基準で転職先を検討し、エムアウトがあてはまると思った。



・理念に共感したポイント


経営者の田口さんはマーケットアウトという理念、つまりお客様の視点に立って製品をつくるという理念のもと経営を行っているところ。

ベンチャーでやるときは弱者の戦略で戦わなければならない。マーケットアウトの考え方は弱者の戦略にフィットする。

また、田口さんの謙虚な人柄も素晴らしいと思った。謙虚だからお客さんのニーズを聞けるのだと思う。



・最終的にエムアウトにいくふんぎりがついたのは?


エムアウトでのキャリアプランのようなものが見えた。転職するときは退路をたったほうがよい。何事も、退路を断ってそこから後はない、という状況にすると成功しやすい。


・キャリアチェンジ


コンサルタントの経験を通して得られるものはたくさんあった。

色んな業界の色んな課題を学ぶことができた。キャリアを3年積んだときに公共交通系のプロジェクトに関わりとてもやりがいがあった。

コンサルを経て起業をしたいのであれば、3年を1つのめどにすればよい。5~6年やってマネージャーになると給料的にも、地位的にも、抜けきれない。

不満を持ちながら仕事を続けていても、バリューを出すことはできない。

自分が何をやりたいか/バリューがどこで最大化するかを考えて自分が一番悔いのない人生を送ることが大事。



・コンサル出身のベンチャー起業家


起業が成功する要因はヒトとカネとチエ。チエを持っているコンサル出身でパートナーまでつとめている人は人脈があって成功している。例えばDeNAの南場さん。

新卒でコンサルを数年勤めたキャリアの人が起業する場合はリセットするくらいに思ったほうがいいと思う。キャリアが3年くらいだったら飛び込める勇気は持てる。



■起業は簡単ではない


・起業は大変

起業はそんなに簡単にできないという実感がある。失敗するのは当たり前。ぼろぼろになって再チャレンジするくらいの覚悟が必要。


自分が自信のない・経験のない分野で起業すると自分の無力さを思い知らされる。参入するときには様々なビジネスモデルを試行錯誤して考えていく必要があるが、知識や経験がないと、リアリティがあり収益の出るビジネスモデルがなかなか作り込めない。また新規事業立ち上げの最中もある程度知識や経験がないと、痛い目にあってしまう。例えば商品開発のときのこと。開発担当者にスープの色を透明にしたら、とリクエストすると、透明と言っても色んな種類があるから具体的に指示してくれと言われて、必要最低限のコミュニケーションもできなかった。その分野に詳しくないと全然勝負にならない、と感じた。



・事業とコンサルは全然違う。

規模が小さいほど知識・経験が大事になる。最初は相当苦労した。



・人を動かす

そのひとの立場に立つこと。一緒に苦労する、一緒に汗をかくと相手の気持ちがわかる。

具体的に何がして欲しいのか、まとめて言うこと、そしてその際に全体感も含めてコメントすることも大事。



・成功する起業家に共通する点

① 業界に対する造詣、スキル

仮説/検証の繰り返しができる。考える力とスピードがある。

② 心が清い。謙虚

 人の声に耳を傾け、自己否定もキチンとする姿勢。



■エムアウトについて


・エムアウトのビジネスドメイン

時価総額1000億程度になるビジネスを狙う。スモールビジネスは対象外。そのため事業化へのハードルは非常に高い。


・投資の意思決定プロセス

アイデアは社内/外から募集し、事業プランを簡単に提案委員会にかける。評価が高ければ本格的に検討し、認められれば事業化の前段階として3ヶ月くらいテスト、サービスの作り込みを行う。


・評価の基準は

一言でまとめるといかにマーケットアウトなのか、ということ。既存のプレーヤーがどうして硬直的なサービスしかできないのか。どこにニーズがあって、どの部分を自分がたちができるのか。


・マーケットアウトとは

既存の設備を考えずにお客さんのニーズから拾ってプロダクトを考える。あるものを稼動させて売り込む、という発想ではなくてニーズをつなげて事業化するという考え方。ただし、事業が成長するといつかは設備を持つことになり、結果としてプロダクトアウトになる。エムアウトはある程度成長したら外に出す。


・起業家がエムアウトで起業することのメリット

生活の心配をしなくてもすむことが1つ。また、すぐに実践(事業立ち上げ)に入って

リーダーになるためのステップが踏める。ミドルリスクミドルリターン。

ただし、給料はもらえるから起業マインドをもてるかどうかは自分次第。


・エムアウトで働く人のバックグラウンド

商社とコンサルが多い。苦労しているケースが多いが、ただ、根性があるのでなんとかまわっている。ジェネラリストとスペシャリストがいかにうまく組んで事業を行うか、がエムアウトの課題である。



・事業化のプロセス


基本的には任された人がリーダーシップをとって進める。社内のノウハウを活用し、本部に相談をしながら決めていく。社内との調整もうまくできる必要がある。

人数は立ち上げ当初は3~4人。現在担当している事業は20人、一番大きいもので40人。

人は理念に共感してもらって集める。会議でも理念を軸に判断する。


・エムアウトで事業を行う優位性

失敗事例が共有されているので、事業を行ううえでのリスクを下げられる(契約書、資金管理、人の採用など)。



・どのくらいニーズを聞いて商品化するのか?

ある程度聞いた後は商品つくって出してみてヒアリング、アンケートなどでそれに対する反応をみる。お客さんの反応をもとに細かく改善していくことの繰り返し。



■現在の仕事について


・事業の内容

Wish on Dish というお惣菜のECを行っている。忙しいけど美味しいもの、身体に良いものを食べたい人がターゲット。チャネル、商品、プロモーションなどあらゆる方向から施策を考えている。


一番難しいのは認知をしてもらうこと。

ネット、FAX、店舗などあらゆる可能性を考えている。現在のお客さんは検索、お取り寄せネット、折込チラシを通じて来ている。一番効果があるのはテレビや新聞。地道なリリース、広報活動を行うことも大事。


・コンサルのときより今の仕事は面白い

自分の言ったこと、やったことが否定される、めちゃくちゃにされるのがモチベーションになる。ロジカルが全く通用しない世界でももがいて結果を出すのが面白い。


自分でやるのはハッキリ言って大変。朝礼暮改は当たり前。1ヶ月で方針が変わる。トライ&エラーを繰り返して解を見つけていく。