えんの杜 占いカウンセラーの星木まどかです。
今日はタロットカードについてお話ししたいと思います。
タロットカードは始めは【遊びのカード】としてアジアで生まれました。
そしてシルクロードを経てヨーロッパに伝わっていきました。
その後イスラムの経典コーランの言葉をのせたマルムーク王朝のカードがタロットカードとして主流となっていきます。
それを元に黄金の夜明け団によってカバラの神秘を融合させたのが、現在私たちが使っているウェイト=スミス版タロットです。
ライダー社から出たので、ライダー版とも呼ばれています。
また、ヒンズー教や仏教そして道教を取り入れたのがトート版、アレイスター・クロウリーが作ったとされています。
その話はまた、別の記事にて書いていきたいと思います。
さて、ウェイト=スミス版タロットはタロットカードの代名詞と言って良い程、ご存じの方は多いかと思います。
海外の映画にも出てくる、世界各国で愛されているカードです。
また、黄金の夜明け団、アーサー・エドワード・ウェイトのウェイトを取ってよくウェイト版タロットと呼ぶ方も多い。
私もタロットをご存じない方には、ライダー版やウェイト版と伝える事があります。
でも、このスミスである画家【パメラ・コールマン・スミス】について。
私なりの見解を含めて、今日は掘り下げていきたいと思います。
【パメラ・コールマン・スミスの生涯】
彼女は愛称をピクシーと呼ばれていました。
幼少期は、知人であり女優のエレン・テリーの家に預けられた事も多かったそうです。
そんな多感な頃に彼女はエレンを通して演劇の世界を垣間見ます。
幼少期の経験はその人の人生に多大な影響を及ぼす事が多々あります。
それは人を経験と呼んだり、運命や必然と言う事もありますね。
そんなパメラは、ロンドンに生まれた一人っ子で絵を描くことが大好きな女の子でした。
親の都合もあってジャマイカやロンドン、そしてアメリカを船で行き来するような幼少期を過ごしていました。
ニューヨークのブルックリンに移住後、彼女は15歳で芸術学校に入学。
そこで運命の出会い【日本画】と出会う事となります。
大好きな絵を描くことに猛進していた、そんな時に母親との別れがありました。
彼女はかつての私と一緒で親との別れから体調を崩しては治す、そんな状況にあったのだと思います。
その後、学校を卒業することなくイラストレーターの道に進み、書籍を出版するなど活動的でした。
父親との別れもありましたが、舞台や衣装のデザインに明け暮れる日々だったようです。
また、彼女は幼少期の影響からか多芸に秀でており、表現者としても功績を残しています。
様々な人たちとの出会いがあり、世界中を駆け回って、両親との別れの事を忘れようとしていたのかもしれません。
そして、その努力も実り沢山の人達に支えられて自分のスタジオを持つ事も叶いました。
彼女はそこから女性の参政権を発信し掲げたと言われています。
まるで、ココ・シャネルのような改革的な思想を持った人だったのかもしれませんね。
そして、アーサー・エドワード・ウェイトとの運命の出会いを通し、黄金の夜明け団のメンバーとなりました。
彼女の絵は音を聴いた情景をそのまま頭の中で光景としてとらえて作り出す、不思議なイラストを描いたといいます。
その影響は日本の浮世絵だったのではないかとも言われています。
彼女は日本の浮世絵の収集家でもあったそうです。
黄金の夜明け団が分裂したのちの聖黄金の夜明け団の確立後、現在私たちが手にしているウェイトと共に作り出したタロット。
それが浮世絵のインスピレーションを受けて描かれた78枚のカード。
ちなみに、男性のモデルはウェイトだと言われています。総指揮はウェイトで、大アルカナを決定したのも彼でした。
ですが、小アルカナを任されたのはパメラ自身。小アルカナにはパメラの情熱が弾けるように描かれています。
これが絶妙なコレボレーションといわれる一つの所以だそうです。
それぞれのカードに明確な特徴を持たせた彼女の絵は、後に続く多くのカードのデザインの原型となっていきました。
そんな彼女は同性愛者だったという説も囁かれていますが、実際はどうだったのでしょう。
私達の生きる、今の世の中でしたら受け入れられたかもしれません。
ですが、当時のその時代に生きた彼女は、もしもそうだったなら、きっと辛い思いをしてきたのではないでしょうか。
彼女は生涯独身を貫き、最期は遺産を残す事なく亡くなったそうです。
偉大な芸術家は生前は絵画に価値が付きにくい、とはよく聞きます。
ですが、このような多芸に秀で、後世にまで影響力のある力のある方の、胸を打たれるような最期。
パメラ・コールマン・スミスの最高傑作といってもいい、ウェイト=スミス版タロット。
私たち占い師がこのタロットを使う時は、彼女の事も慈しみ敬意を持って使っていきたいと思っています。
そんな気持ちからこの記事を書かせていただきました。
また、彼女を通して日本とタロットが繋がっている事を知ってもらえたら嬉しく思います。
長くなりましたが、皆様の知恵や知識となったなら幸いです。
-------------------------
星木 まどか
占いを通したカウンセリングが主体。元栄養士、脱サラ占い師である。
(カバラ数秘術/ウェイト版タロット等の占いに特化/栄養の知識も配信)