24HTVドラマスペシャル「車イスで僕は空を飛ぶ」
続きです。
そういえば、崖の上のシーンについて。
「あれはコントか!」という感想が結構ありましたね。
一方、あのシーンが表す意味を汲み取って、ドラマのキモだと捉える感想もありました。
泰之が自殺しようと、電車を乗り継ぎやってきた場所。
原作では有名な自殺の名所です。
沢山の人が観光に訪れる場所でもあります。
そこへ明らかに様子がおかしい1人旅の車イスの青年が登場。
休憩してた観光客たちは気になって目で追います。
車イスの青年は真っ直ぐ崖の先の方へ向かいます。
あれ?もしかして?
観光客たちは誰からともなく青年の後についていきます。
青年は崖の先端で海を眺めます。
…まさかねえ?見に来ただけだよね?
いやいや、自殺じゃないでしょう?え?本当に自殺するつもりなのかなあ?
「ちょっとそこ危ないよー!…なんつって」
……
これが観光客の心情かなあ。
視聴者は今までの流れから泰之の絶望を知ってるけれども、
崖の上の人たちは誰も知らない訳で…
絶望的な泰之の心情とは真逆の、見た目完全に野次馬状態の観光客たち。
対照的な重さと軽さ…
…現実ってもしかしたらこんな感じかもしれない。
きっと感動ドラマの中では、そこに「自殺なんてやめろ!死ぬな!」と熱く叫ぶ人がいて
一緒に涙を流しながらそれでも生きていくことを誓う…
なーんて超絶お涙ちょうだいなシーンになる。
でも実際は、そんな熱く止めてくれる人もいない。
事情も知らずに他人に干渉しづらい。
でも周囲の人の心には確実に「助けたい」という思いはあって…
どうしよう?どうしたらいい?…と遠巻きに見守ることになる。
そういうシーンなのかな…と私は思いました。
そう考えると、ドラマの中で浮いているように見える「観光客たち」は
実際に周囲にいる第三者たちそのものじゃないのかな…
…このシーンって深いなあと思った訳です。
完全に私個人の勝手な解釈ですのであしからず。
実際の原作本でも、大人数で自殺を止めようとしたみたいです。
事実は小説より奇なりですね。
