少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、
以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、
音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、
橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
ラブカとは古い映画のスパイの事。
子供の頃の体験で、他人になかなか心を開けなかった
橘が著作権の問題で、
音楽教室にスパイとして潜入して、
不当に楽曲が使用されていないか探る任務に就きます。
それが橘を変えて、どんどんチェロに没頭していく。
講師や仲間との信頼関係が深まる中、
自分の仕事の事でどんどん悩みが深くなっていきます。
音楽を題材にした物語に深く心を打つものが
多い気がするのは私の思い込みでしょうか?
とても読後感が良くて
登場人物の幸せを祈りたくなるような
そんな感じ。
楽器が弾けるのはいいなぁ~。
それに没頭して、そして出来た時はきっと
最高にうれしいと思うから。