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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
レーガンはかつてハリウッドで活躍していた俳優だが、ドラッグにおぼれ、華やかな仕事から疎遠になっている。低迷しているレーガンはルイジアナ州に向かう。ホテルにチェックインすると、誰かにつけられているかのような視線を度々感じ、薄気味悪いのでマネージャーに報告するが、気になって夜も眠れない。翌日、現地のコーディネーターらしき男2人がレーガンのホテルに迎えに来た。その車に乗り込み走り続けて行くと、男達の様子がおかしい。彼らはコーディネーターでは無く、レーガンは暴行され、沼地の脇に建つ小屋に鎖で手足を繋がれ、監禁されてしまうのだった。顔はナイフで傷つけられ、鎖で繋がれた体は殴り続けられてしまう。男達は、レーガンのノートパソコンを取り上げ、彼のTwitterを乗っ取り、不適切な投稿をしてニュースで報道されてしまう。2人の男のウチの1人は、もう一人を見張りとして残し、小屋から去ってしまう。彼らの目的は?そしてレーガンは生きて戻ることができるのだろうか?(メーカーサイトより)

■ネタバレ
*知名度はあるが最近作品に恵まれていない俳優レーガン・ピアースは、3週間前にルイジアナ州シュリーブポートに降り立った。新作映画のためだったが監督ティムは素人同然、出資者カニンガムは下品な男でレーガンは辟易する。マネジメント担当のシフに電話で泣き付くが「撮影期間が短く誰も観ない映画だから我慢しろ」と酷い返事だ。見込みがあったキャメロン作品は、より若い俳優を希望された。シフは「俳優として脱皮すれば返り咲く機会はある」とレーガンを宥める。
*いつもとは違う環境で、殆ど眠れずに朝を迎える。早朝、予定よりも随分早い時間に迎えの車が到着。慌てて荷物をまとめてホテルを飛び出すと、撮影スタッフとして待っていたのは初対面の2人だった。運転席には髭面の中年男性、助手席にはもっと若い男が座っている。かなりの距離を走り、このままでは午後の約束に間に合いそうにない。連絡しようと携帯電話を取り出すが、スタッフの番号が分からない。助手席の青年に尋ねると「番号を入力するよ」と言われて携帯を手渡す。そのまま携帯をウエストポーチに仕舞い込むのを冗談だと思い笑うが、返すように促すと青年は携帯の代わりに拳銃を取り出し「もうない」と言う。
*それ以上抗議も抵抗も出来ず、車で運ばれる。辿り着いたのは湿地帯の森の奥、粗末な小屋。車から引き摺り降ろされ、中年男に頭部を執拗に殴られて気絶する。気が付くと腕には手錠と頑丈な鎖。鎖の先は、壁の金具に固定されている。古びた木の小屋の中でその部分だけが新しい。レーガンを拘束するために準備したのだろう。足もゴム状の紐で縛られていて、床に転がっている状態だ。
*中年男はマイク、青年はその甥でジュニアと呼ばれている。金銭目的の誘拐かと考えて「金なら払う」と言うが、マイクは「お前の金なんか要らない」とレーガンの目尻から頬に掛けてナイフで切り付ける。彼は「俺はダイアナの夫だ」と言う。レーガンにはそれが誰なのか分からない。「思い出させてやる」とボルトカッターを持ち出すマイク。彼はレーガンのペニスを切断しようとするが、ジュニアは「そんな事したら死んでしまう、暫くは生かしておくんだろ?」と宥める。結局マイクは金属製の突起が付いた殴打用の棒で、レーガンの右手を繰り返し叩いて潰す。骨が折れ皮膚は裂け、全体が大きく腫れ上がる。
*それでも怒りが収まらないマイクが、殴打棒で顎を叩いてレーガンはまた気絶する。目を覚ますと相変わらず鎖に繋がれ床に転がっている。潰された右手には、布製の袋が雑に被せられている。電気の通っていない場所のため、マイクは発電機の調節をしているようだ。小屋の中にはジュニアが居て、鎮痛剤を飲ませてくれる。やがてマイクが屋内に戻り「思い出したか?」と問い掛ける。生活の荒れているレーガンにはやはりダイアナが分からない。「167cmで黒髪、お前の映画で衣装係をしてた」「多分、既婚者だと知らなかったんだ」
*マイクはレーガンの携帯電話を取り出し、パスワードを尋ねる。ジュニアに銃口を向けられた状態では答えるしかない。レーガンと女性達とのメールの遣り取りを読んで、その奔放な様子に怒りを露わにするマイク。携帯を力任せにレーガンに叩き付ける。それを拾ったジュニアは女優達の裸の画像をマイクに見せる。中にはレーガン自身の全裸画像もある。夜になるとマイクはソファで、ジュニアはマットレスで眠る。レーガンは引き続き床の上だ。
*翌朝、また2人だけの時にジュニアはレーガンに食事させようとする。悪臭がして得体が知れないため、レーガンはそれを拒絶。小屋に戻ったマイクは、食事自体必要ないとジュニアを怒鳴る。マイクはレーガンのノートパソコンからメールを送ったが、報道各社はハッキングされたものと捉えているようだ。ジュニアの助言で、レーガンのTwitterアカウントを使う事にするマイク。やがて『流出写真でピアースが犯行ツイート』との記事が流れる。更にマイクは『ユダヤ人は消えろ』等とツイートしたらしい。「何故こんな事を?早く殺せ」「まだだ、俺と同じ苦痛を与えてやる。評判を奪い人生を奪い、晒し者にする。世界最低のクソ野郎として殺してやるよ。嫌われて死ね」
*次にマイクは、レーガンに留守電の応答メッセージを録音させようとする。アカウントの乗っ取りは有り得るが、音声があればレーガンの自主的な行動との真実味が増すだろう。マイクが書いた台詞を陳腐だと一蹴し「これじゃ俺がイカレたと思わせる事なんか出来ない」と主張するレーガン。「もう二度と電話を掛けてくるな。どいつもクソ喰らえだ、クリスティもな。特に罪深きユダヤ人共、アッラーに感謝し俺は死ぬ」と吹き込むと、マイクはこの内容に満足して「お前は俺の奴隷だ」と笑う。
*女優のヌード画像流出や差別発言、過去には飲酒や器物破損で逮捕歴もあるレーガンのニュースでテレビが賑わっている。マイクは小屋でレーガンと向き合い「今日は洗い浚い吐いてもらう」と言う。彼は元警察官だったが、1年半前に解雇されて現在は警備員だと話す。妻の浮気を発端にDVを続けて逮捕。刑務所に1年、周囲の人間も去った。
*レーガンも話し始める。「仕事帰りに彼女を家まで送った。数日前に拾った猫を、俺に見せたかったらしい」と。そのまま家で話して酒を呑んだ。クズ旦那の話もした。傲慢で自己中心的、他人を扱き下ろす事で優越感を覚えるクソ野郎。泣き始めた彼女を抱き締めると「女に戻れた」と言って寝室に誘われた。彼女は4回イったと言い「夫とは一度もなかった」と笑った。
*静かに聞いていたマイクは、話が終わるとレーガンの傷付いた右手にスタンガンを押し付ける。今夜は雨で、古い小屋は雨漏りが酷い。濡れた床に転がるレーガン。マイクが仕事へ出掛け、入れ違いにジュニアがやって来る。マイクは「明後日戻る、その時が仕上げだ」と言い置いて走り去る。彼は「遣り過ぎて死んだかもしれない」とも話したが、ジュニアが確認するとレーガンは気絶しているだけのようだ。殴られたのか、血溜まりに歯が浸かっている。それを自分のポーチに仕舞うジュニア。
*レーガンが意識を取り戻すと、眼前にワニが居る。ジュニアがワニを押さえ込みながら「冬眠前に腹を満たそうとしたんだ。血の匂いと呻き声で、餌があると思ったんだろう。命拾いしたな」と言う。ワニが噛む力は900kgとも言われるが、正しく掴めば片手でも動きを封じられるらしい。拳銃でワニの頭部を撃ち抜くジュニア。彼は床に座ったままではまたワニが侵入した場合に不味いだろうと、レーガンのために古いベッドを運ぶ。木の床の上より幾分かマシだが、鎖には繋がれたままだ。ジュニアは濡れた布で、レーガンの口から流れた血の跡を拭う。
*マイクは警備員の仕事の最中に度々電話してくるが、暫くは不在だ。ジュニアは小屋の外でワニを捌いている。レーガンは脱出方法を探るが、手を潰されて鎖に繋がれている状態では難しい。屋内に戻ったジュニアに「トイレに行きたい」と訴えると、漸く鎖が外される。手錠はそのままで足の紐も先端をジュニアに握られているが、小屋の他の部分の様子が多少は分かるようになる。
*マイクはまた電話を掛けてくる。慌てて鎖と足の紐を結び直すジュニア。電話を優先してくれたら、レーガンにとっては脱出のチャンスだったかもしれない。ジュニアは律儀に作業して、結局電話に出損なう。戸惑っていると再度の着信。「問題ない」と伝えるが「それなら直ぐに電話に出ろ、お前も殺すぞ」と怒鳴られる。
*電話が終わったジュニアに「俺はどうなる?お前はこのままで良いのか?お前は良い奴だ」と訴える。彼はマイクから「仕事があるから家族として手伝え」と言われて加担する事になったと話す。「あいつはイカレてる。俺はあいつの女房とはヤってない。お前も殺されるかもしれない。唯一の目撃者を放っておくと思うか?」と畳み掛けるが、ジュニアはその点を追及するのを嫌がり「もう眠ろう」とソファに寝転がる。

*翌朝、ジュニアは憔悴した様子のレーガンを日光浴させようと考える。鎖を壁の金具ではなく、ベッドに繋げばそのまま移動させる事が可能だ。レーガンをベッドに乗せたまま屋外へ運び「暑かったら言えよ、シャツを脱がせてやる。日焼け止めも塗る」と言うジュニア。彼は時々熱心にレーガンを見詰めてくる。マイクからまた電話があり、深夜1時半頃に戻ると言う。通話中、ジュニアはナイフで板壁に何かを刻んでいる。
*マイクはダイアナを訪ねる。直ぐにも通報しようとするのを説き伏せて「俺は生まれ変わった、もう暴力は振るわない」と伝える。真摯な態度に見えて、ダイアナは「考えておくわ」と返事をする。実際には元妻の浮気相手を監禁して、今夜殺そうとしている。謂わばアリバイ工作だ。別れ際、ダイアナは腕に猫を抱いている。
*夜になり、ドラッグを吸引しながら料理するジュニア。片手にはペットボトルを掴んでいて、凹ませては耳障りな音を立てる。「頭痛がする」と伝えても、レーガンの気持ちを酌んではくれない。彼は「映画が好きだ」と話し始め、レーガンの若い頃の出演作について「皆で何回も見たよ。友達はあんたの真似までしてた。恰好良かったよ、最高だった」と褒めちぎる。「年の割に若く見えるが、努力してるんだろうな」と言われて、ジュニアの体躯を「お前も引き締まってる」と褒め返すと、満更ではない様子だ。
*テレビの情報番組がレーガンについて取り上げている。このまま転落かと思われたが、ホテルの監視カメラに正体不明のバンに乗り込む姿が残されていた。深夜には留守電の応答メッセージが変更されて、最初は錯乱の証拠だと思われた。しかしそれはレーガンが2003年に出演した戦争映画の、イスラム過激派に誘拐される場面の台詞だと判明。クリスティとはその時の役名だ。自殺を仄めかしているのか、誘拐されたと訴えているのか。警察はバンとレーガンの行方を追っている。
*ジュニアは完成したワニ料理をレーガンに振る舞う。「気味悪がって食べない奴も居るんだ」「俺は違うさ、何でも試す」2人で食事をしながら、この場所へ運ばれて以来初めて笑顔になるレーガン。「あんた、良い笑顔だな。歯並びが良い、ハリウッドスタイルだ」ジュニアの言動に含みを感じ「恋人は居るのか?」と問い掛けると「居ない」との答え。「俺も別れたばかりだ」
*食事のおかわりを頼み、ジュニアが背を向けた隙に鎖を手繰り寄せる。身体の下に余分な鎖を隠していると、ジュニアは「変な事を聞くが、男とヤった事はあるか?」と訊いてくる。調子を合わせて「俺は酔えば何でもするらしい」と思わせ振りな返事をすると「ウィスキーがある」と言う。2人でウィスキーを呷ると、ジュニアが圧し掛かってくる。
*逃げ出すチャンスを掴めるかもしれないと考えていたが、耐え切れずに「止めてくれ」と言うレーガン。ジュニアはレーガンから離れて、また壁に何かを刻み始める。「悪気はなかった」と弁明すると、ジュニアは「料理にクスリを混ぜた」と言い出す。「少し待てば一晩中ヤれる」その言葉通りに意識が朦朧として、やがて完全に動けなくなる。
*ジュニアはレーガンの下半身を剥き出しにすると、自分も服を脱ぎ捨てる。ベッドに俯せにしたレーガンに背後から接近しようとすると、マイクから着信がある。ジュニアの意識が携帯に向いた時、レーガンは俊敏な動きで相手の背後に回り込む。昏倒したように見えたのは芝居だったのだ。手繰り寄せていた鎖でジュニアの首を締め上げる。今度はジュニアが動かなくなる。
*疲弊して床に倒れたままのレーガンだったが、ワニがまたしても小屋に進入したため慌てて跳ね起きる。ワニはジュニアの足に噛み付き、死体を引き摺って小屋から運び出す。壁にはジュニアが刻んでいた文字が見える。「俺達は2人でアツくなった/Two Goats In A Pepper Patch」と。
*一方、電話に出ないジュニアに激怒して帰路の車内で喚き散らすマイク。冠水のために道路が通行止めになっていて、怒りが増幅される。ジュニアの家に押し掛けるが、彼は戻ってはいないらしい。横暴な態度のマイクにジュニアの母はライフルを持ち出すが、制止も聞かず人のボートに乗り込み川を進む。
*レーガンはジュニアのポーチから鍵を取り出して鎖から解放されるが、小屋の傍に放置されていた車はエンジンが掛からず動かない。この状況ではマイクが戻る前に逃げ出す事は困難だ。迎え撃つしかない。小屋に辿り着いたマイクは、ワニが喰い散らかしたジュニアの死体を発見。レーガンを探して殺そうとする。暗闇で待ち構えていたレーガンは、ゴム状の紐でナイフを飛ばす。スリングショットの要領だ。ナイフは見事に胸に突き刺さり、マイクが崩れ落ちる。倒れて動けないマイクに、殴打棒を何回も降り下ろす。
*テレビ番組のインタビューに答えるレーガン。クスリで朦朧としていて、マイクが乗って来たボートまで直ぐには向かえない状態だった。沼地にはワニも居るため、夜が明けるのを待った。記憶が曖昧だが、ボートで助けを求めていたのを漁師が見付けてくれたと聞いた。そんな風に語る顔には、マイクに切られた傷がまだ残っている。腕にはギプス、歯は治療済だ。過去の言動を悔いて「生まれ変わりたい」とも話す。
*番組は好評だったらしい。電話越しにシフが「取材の申し込みが殺到してる」と言う。キャメロン作品への出演オファーもあった。皮肉にも事件を機に、状況は好転している。もう自分を脅かすものはないが眠れずに、不在だった間のメールを確認する。すると[俺達は2人でアツくなった]と言う件名が目に留まる。本文には『出会いは最悪だったが楽しかった。あんたの携帯で映画を撮ったよ』と書かれている。添付されている動画を開くとベッドに横たわる自分の姿が映し出され、やがてジュニアがやって来る。剥いだワニの皮を被って、レーガンの周囲で歩いたり踊ったりするジュニア。鎖に繋がれたままのレーガンがずっと笑っている。

■雑感・メモ等
*映画『チェーン』

*レンタルにて鑑賞
*監禁系サスペンス

*男性が標的の監禁系は珍しいかなと思ってレンタル。でもライアン・フィリップが監禁され手を潰され、男から「犯すぞ」的な事を言われてるのを見るのは2回目だった。(1回目はこちら。)こう言う設定が好きなのかなと思ったら今作では監督・脚本も務めているようで、やはり好きでやっているのかも。
*設定が設定だけに、起伏に乏しく盛り上がらない。マイクがかなりのポンコツなのも緊迫感を削いでいる。ジュニアも愚鈍だけど、それ故の得体の知れなさがあった。でも最後の[映画]はどう捉えるべきなの。しかもちょっと長い。
*原題は『CHAINED』『CATCH HELL』の2種あるのかな。レーガンは鎖に繋がれ、ジュニアも同様に繋がれた立場だった。CATCH HELLには非難される・叱られる・酷い目に遭う等の意味があるみたい。
*「イーストウッドとの仕事はどうだった?」なんて台詞があって、役柄と本人の印象が被る。レーガンの出演作についての会話、「高校生が全員ヤる映画は『アップ・アゲインスト』?」「『クライム・アゲインスト』だ」の部分は元ネタ的なものはあるのかな。高校生役で知名度高そうなのは『クルーエル・インテンションズ』だけど、内容的には合わないか。
*殴打棒と書いたけど、字幕では[殴り棒]となってた。印象としては遠いけど敢えて言うならモーニングスターみたいな感じの。あれはワニ用の道具?

*レーガンのスマホのパスワードは[2259]でPCは[evolution]だった。ジュニアのフルネームはレジナルド・へスター・ジュニア。テレビ番組の司会者Jillian Barberie等は本人役で出演。