インビジブル・ゲスト 悪魔の証明 | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

実業家のドリアは、不倫相手ローラの殺害容疑で起訴されていた。そんな中、凄腕弁護人のグッドマンがドリアを訪ねてくる。法廷で審理が開始される3時間後までに反証の準備をしなければならない2人は、事件の再検証を開始する―。ドリアの家から300キロも離れたホテルの一室でローラは殺された。警察が踏み込んだ時に、ローラの死体を除いて部屋にいたのはドリアだけだった。ドリアは無罪を主張しているが、部屋は完全な密室で状況証拠は絶対不利。さらに、ドリアにはグッドマンに告げていない秘密があった。それでもグッドマンは、ドリアを無罪に出来ると言うが…。(メーカーサイトより)

 

■ネタバレ

*不倫相手のローラを殺害した容疑で裁判中の実業家ドリア。検察側の新証人の存在が判明し、事件を再検証するため敏腕弁護士グッドマンがやって来る。顧問弁護士は別に居るが目撃者を買収すべく出張中で、彼がグッドマンを差し向けてきたのだ。彼女を納得させられたら陪審員も説き伏せる事が出来るに違いない。

*ドリアは自宅から300kmも離れたホテルにローラと共に呼び出され、背後から何者かに鏡に叩き付けられて昏倒したと主張している。意識を取り戻した時にはローラは殴り殺されていたと。しかし部屋は密室状態、ドリアに不利な状況だ。グッドマンは、そもそもそこまで2人を恨んでいる人間は見当たらないと言う。何か隠している事があるのではないか?グッドマンが差し出した新聞記事に観念し、ドリアは3ヶ月前に交通事故を起こしてそれを隠蔽したと語る。

*森の中の道で鹿が飛び出して来て、対向車線の車と接触。相手の車には青年が乗っており、木に激突してしまった。通報しようとしたが同乗していたローラはこのまま立ち去るべきだと主張。しかし自分の車が動かない。そこへ車が1台通り掛かったが、ローラは自分達2人が事故の当事者同士のように装って遣り過ごそうとする。青年の携帯電話の呼出音が鳴ったため保険会社からの電話のように振舞うと、漸く男は走り去った。その車の運転手が証人かもしれない。

*このまま車を放置すれば先刻の嘘が露呈してしまうため、死体ごと隠すしかない。ローラは青年の車の処分をドリアに指示すると、自分はドリアの車のレッカー移動を依頼する事にした。しかし森の中では正確な位置も分からない。そこへまた車が1台やって来て、元整備士だと言う男ガリードが自宅まで牽引してくれた。

*修理を待ちながらガリードの妻と話をしている内に、そこが事故相手の青年の家だと気付いたローラ。夫婦は息子のダニエルと連絡が取れず心配している。事故現場でダニエルの携帯電話をポケットに入れたままになっていたローラは、ソファに携帯を隠すと急いでその場を後にする。ドリアはその間に死体共々車を湖に沈めた。

*ダニエルは車の運転をしながらメッセージの遣り取りをしていた。家に携帯が残されていた筈がない。ローラを怪しんだガリードが書き留めていたナンバーを申し出て、警察が車の持ち主であるドリアの元に聞き込みに来た。消されずに残っていたその記録から、グッドマンは交通事故の件を掘り下げたのだ。ドリアは車をスクラップにした上で盗難届を出していた。ガリードはドリアも疑い長く付き纏われたが、最近の消息は分からない。

*ローラは事態を終息させるため、銀行の幹部である夫のIDを使ってダニエルが会社の金を横領をしていたように偽装した。死体から財布を抜き取っておいて口座情報を把握したのだ。こうして、ダニエルが事故を偽装して自ら失踪したように見せ掛けた。

*ドリアの話を聞き、グッドマンはガリードが犯人だろうと予測する。秘密をバラすと脅迫してホテルに呼び出し、ローラを殺してドリアを罠に嵌めた。逃走経路はホテルに勤めるガリードの妻が用意した。そのために山奥のホテルを選んだのだ。

*事故はローラが単独で起こし、ドリアはホテルに呼び出されてから初めて知ったと言う事にする。ローラを殺したのはガリードで、ドリアは勘違いから逆恨みされて巻き込まれただけ…グッドマンはそんな筋書きを提案する。

*そのためにはダニエルの死体が必要だ。匿名で通報するが、自白の必要はない。沈めた車の中にローラの物を仕込めれば尚良いだろう。ドリアとその弁護士は、隠蔽や捏造はお手の物なのだ。グッドマンに促されて、車を沈めた場所の地図に印を付けるドリア。更に、車を沈めた時にはダニエルは未だ生きていたと吐露する。死体遺棄だけではなく殺人だ。隠し事の多いドリアをグッドマンが叱責する。

*そもそもドリアの話は最初から嘘交じりだったのだろうと指摘するグッドマン。ローラは事故後にパニック障害になったとの医療記録を持ち出す。先刻からの話も、ドリアが主導したのならローラが不安定になった事も筋が通る。死体を隠す事を主導したのも、死体から財布を抜き取り横領の偽装をしたのもドリアだ。ローラは罪悪感に苛まれガリードに謝罪、同乗者が居た事も告げた。そして、妻が勤めるホテルで会う事になったのだろう。

*ドリアはローラを殺した事を認めた。ローラが予防策のため送っておいたメッセージを利用して、第三者の存在を訴えたのだ。しかしグッドマンのお陰でダニエルの死はローラの、ローラの死はガリードの罪と言う事になるだろう。顧問弁護士から、買収も成功したとの連絡が入る。事故現場に通り掛かった例の男だ。安堵するドリア。

*グッドマンは外で少し頭を冷やしてくると言い、10分間休憩してから再開する事になる。彼女はエレベーターで階下に下り、そしてそのまま戻らなかった。

*ガリードは姿を消した後もドリアを監視し続けていた。その中でドリアの弁護士がグッドマンに接触した事を知った。そこでガリードの妻がグッドマンに化けて、ドリアから話を聞きだしたのだ。息子が葬られた場所と、ドリアがした事の全てを。

*グッドマンから渡されたペンが、ポケットの中で壊れてインクが漏れ出す。ペンを解体してみると、中には盗聴器が仕込まれていた。グッドマンが持ち込んだ警察関係や医療記録のファイルは全て白紙で、手帳にもこの数時間に書き込んだ事しか残されていない。唖然としているドリアの元に、本物のグッドマンがやって来た。

 

■雑感・メモ等

*映画『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』

*レンタルにて鑑賞

*スペイン製ミステリー

*店舗でジャケットを見て、好みな感じかなと思って借りてみた1本。知らずに借りたけど大好きな『ロスト・ボディ』のオリオル・パウロ監督作品だった。調べてみたらこの人は寧ろ脚本家としての方がキャリアが長くて、監督作も殆ど自分で脚本を書いてるみたい。

*妻がグッドマンに扮装しているのは早い段階で分かったので、ドリアが気付いているのかどうかでハラハラした。ジャケットに書かれている「顔のない来訪者」は密室の第三者を指しているけど、グッドマンの事でもあるのね。夫婦が遣り遂げられて良かった。前作同様綺麗に終わってくれて気持ちが良い。

*骨格が前作と近い部分もあるけれど、雰囲気はまた違っていてどちらもそれぞれ楽しめる。より好きなのは『ロスト・ボディ』だけど次回作にも期待したい。