留学はしたい、でもどういう形でどこへ行くのか、将来なにがしたいのか。そうもやもやしていた青春時代。
バイトをしてお金をためては妹と二人でアメリカ、カナダ、タイなどへバックパック旅行にでかけた。 特にタイには何か惹かれるものがあり、合計4,5回行ったとおもう。
そのうち一度はタイから国境を越えてカンボジアに行った。計画していたのではなく、現地の旅行会社で激安のバスのチケット(たしか200円くらい)を見つけて勢いで買ったんだと思う。
翌日バスが来る予定の場所に行くと私たち二人と同じようにバックパックを背負ってバスを待つ西洋人が15人ほど。アジア人は私たち二人だけだった。 待てど待てどバスは来ない。
そのうち旅行会社の人だと思われる中年の男性が来てこう一言。
THE BUS BROKE DOWN. (バス壊れた)
この時絶対に初めからバスなんてなかったんだ、と確信した。
周りの西洋人も口々に同じようなことをぶつぶつ言っていた。
そのタイの男性は私たちに向かって COME!といって誘導を始めた。 ついて行ってみると、古びたトラックが一台。 私たちの荷物をひょいひょいと荷台に積み始め、積み終わるとその荷物の上に乗れという手振りをした。
何だかよくわからないまま全員が乗り込む。妹はどう思っていたかわからないけど私は何だかウキウキしていた。30代になった今同じ状況に置かれたらウキウキできるだろうか。多分その前にカンボジアまで片道200円で写真に乗っていたようなVIPバスに乗れるなんで話は信じなかったと思う。
私たちバックパッカーが全員乗り終わるとトラックの荷台は定員オーバーなんてもんじゃなく、もうお互いにしがみついていないと荷台から振り落とされる状態。
もしかして本当にバスが壊れてしまい代わりのバスが止まっているところまで連れて行ってくれるのかというかすかな期待もむなしく、まさかのまさか、この状態で8時間道なき道を、赤土の舞い上がるなか生死をかけて安いおいしい話に引っかかったバックパッカー達全員で生き延びた。
こうしてたどり着いた未知なる国カンボジア。
この国に行ったのはこれが今まで最初で最後。
でも私が将来目指すものを与えてくれたのもこのカンボジアだったんだと思う。
次回に続く