久しぶりに面白かった~日本画家 松井冬子さん
突然ですが、私は絵が好きなんです~。
基本的に見る方ですが、
(暇な時は、週に一度美術展に行ったりしていた~)
昔は書いたりもしていて、
絵を買うことにも興味があり、
社会人になって最初の高い買い物は、
何を隠そう、好きな画家の版画でした。
たまたまNHKのETV特集を見ました。
(NHKはもとより、TVは滅多に見ない方なのですが、
ETV特集は結構好き。特に深夜に再放送しているのをたまに見ると、
ついつい見てしまう…!)
NHK ETV特集
"醜いもの 美しいこと
~日本画家 松井冬子の試み~"
夕食を作りながら見ていたので、ザンネンながら、ながら見でしたが、
それでも、充分面白かったです。
とにかく美人で、そしてストイック。
(見たことがない方はこちらをどうぞ~http://www.amazon.co.jp/DUNE-No-31-2006summer/dp/4861190606/ref=pd_sim_b_img_3/503-2606005-8795167 )
杉本彩を重ね合わせたのは私だけ…!?
動物を自ら解剖して、目の前に分解された屍骸に
これっぽっちも動じず、
興味深く写生する姿は、結構驚くものがあった。
彼女が美人だから絵になろうとも言えるかも、
なんてちらと思いつつ、
でも、見ていくうちに、彼女の追及しているものが、
その目の前の屍骸を超越していることがよく分かった。
本当に真剣なのだ。
何をこだわっているのか、何を追及しているのか、
それは芸術ゆえ、本人しか分からない。
本人も描きながらそれを探求しているのだろう。
上原彩子、神尾真由子、
日本の若手女性の芸術家の活躍が目覚ましい。
ザンネンだったのは、
上野千鶴子氏との対談。
上野千鶴子氏の本は私も読むけど、
対談はつまらなかった~。
松井冬子さんの芸術に、無理やりジェンダーの話を
重ねてみたり、
極め付けが、
「幸せになった貴女の絵を見てみたい」というコメント…。
松井さんも大人なので、それなりに受け答えしていたが、
松井さんは、幸せになろう、なんて、考えて書いていないのだと思う。
そんなのほほんとした気分で、あの情念の絵は書けるはずがない。
「幸せになった貴女」
と言われて、はじめて、
<幸せ!?>って思ったのでは、と思うのは私の妄想!?
松井冬子さんは、
もっと、焦燥感に駆られて、生きるか死ぬかという極みで、
求めるものは何かを追求し、
本当に本当に自分のこだわりを追求し、
真剣に絵を書いているのだと思う。
だから、絵を見たことがない人にも、
思わず向わせる力があるわけで、
グロテスクなモチーフでも、
それを超える鑑賞ができるのだと思う。
はじめから<幸せ>を頭に描いているような時間はない。
生きるというのはもっと切羽詰ったもののような気がする。
日本画家 松井冬子さんのサイト