雑踏の波の中を
魚のように
すり抜けて行く

様々な声も
引いては返す波のように

澄んだ水面を目指し
水流に抗いながら

あなたも泳いでいるはず

だからわたしも泳ぎ続ける
かなしくて
とてもかなしくて
それが何故かもわからなくて
動けなくなっていた

きのうあったこと
まえにあったこと

なにもかもがわからなくなって

すべてから消えようとした

耳鳴りがして
耳鳴りがして

無音のスマフォをのぞくと

きみからのことば

ひさしぶりの
きみからのことば

なみだがでた

そうか
きみに逢いたかったんだ



単色の世界に

安定は続くけれど

限られた世界の中で

色彩は影を潜めた

たくさんの花の咲き乱れる

鮮やかな世界を

忘れてしまった

音を色をことばを

歌うことを
描くことを
話すことばを

思い出して

動き出して

そして

虹が掛かる