短距離走が異様に早かったこともあり、コーチをしている自分の少年野球チームにはベースランニングも教えることもある。
チームは「速い」と褒めてはくれるが、実は8割程度の力しか出していない。
指導者は選手(子ども)に「精一杯走れ」と言う。でもこの「精一杯」が盲点になってしまう時もある。というか、そうなる場面が多い。(よく思い出してみてください。)
打った!という瞬間、競馬馬の遮眼革(しゃがんかく)をつけたように塁に向かって必死に走ると、多くの場合で打球を見ていない。一塁を駆け抜けてしまうが、ボールがレフトあたりでまごまごしている場合、大変な損をしてしまう。
8割というのは走る力だけ。あとの2割は状況判断に必要な力になる。
「どこまでボールが飛んで行ったのか」
「自分は何塁まで走れそうなのか」
それを見もしないで「精一杯走れ」と言ったところで、塁を進める訳がございません。
ボールが飛んだ先を見て「二塁まで行けそう」と思ったら、見るところは一塁ではなく二塁になる。そうでないと90度ターンという、人間では不自然な曲がり方をしないと進めない。確かに最も近距離ではあるが、スピードは出ない。そうであるなら、一塁を経由地とした、最もスピードの出る、
「つ」
の字の走り方が正しい。
精一杯走っているのは観ている側には気持ちがいい。でもそれが点につながる走り方なのかというとそうではないと思う。
精一杯競技すること、それは大事なことではあるが、10割の力を一点のみに絞ってしまうと、多くの場合で十分な結果は出ない。

