死ぬにはいい日だ。
穏やかに雨が降っているし、温かいけど肌寒くて少し寂しい感じがたまらなくいい。
町は明るいし、部屋には愛すべき猫がいるし腹も膨れていて心地がいい。
買った漫画のすべてが面白かったし、食べたものすべて美味しかったし、何に置いても満足している。
明日はどうだろう。
明後日はどうだろう。
満ち足りているということが適量であるということならば、
明日は減量しているかもしれない
明後日は増量しているかもしれない。
今日のように適量であることが、私の人生であと何度訪れるだろう。
今日はいい日だ。
死ぬにはいい日だ。
でもたしか、去年の夏の終わり。
季節が巡る節目の人肌恋しい時期に、私は確かに適量に満たされていた。
一つの季節に一度でも、こんないい日がくるのなら、あと少し、生きていてもいいかなと思う。