卒業公演 *ファン・ミニョン ショートストーリー① | ゆないろデイズ ~韓流ときめきスマイル探し~

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最後の公演は姉さんに観てもらいたい...

 

 

 

はろはろ~!菜月です。

(❁´ ︶ `❁)✲゚

今回は “もそろぐ”。ショートストーリー です。

 

 

ミニョンくんが俳優として演じたら...という設定で書いてます。

スクロールするか否かはご自身の判断で!

 

 

 

「姉さん、今度の舞台観に来れる?」

残業で遅くなった日、弟のミニョンが訊いてきた。

 

 

「舞台? あ、もうそんな時期だっけ」

高校で演劇部に入ったミニョン。

確か次は卒業公演だったはず。

毎回観に行けなくてガッカリさせてたんだよなぁ...。

観に行きたいと思ってるのに、なぜかその日に限って重要な仕事を任される。

 

 

私はカバンからスマホを取り出すとスケジュールをチェック。

ミニョンに聞いた日付を見ると...

 

 

言葉が出なかった。

その日は大事なクライアントと会う日だった。

 

 

「やっぱり無理そうだね。大丈夫だよ。気にしないで」

穏やかな笑顔を見せながら、ミニョンは自室に戻って行った。

 

 

またガッカリさせちゃった...。

有休使えたらよかったのに。

 

 

ミニョンと父を残し、私が上京して数年。

父が海外赴任することになり、まだ中学生だった弟のミニョンを一人実家に残すわけにはいかなくて、私と一緒に暮らすことになった。

 

 

ちょうど大学進学は上京するつもりだったみたいだし、中学卒業のタイミングに合わせて都心の高校に入れたのは良かったみたい。

 

 

それにしても、

「姉さん料理苦手だから俺がそばにいて良かったね」

なんて料理上手なミニョンに嫌味を言われたりもしたし、

父も父で 「ミニョンがいれば安心だ」 みたいにガハハと笑って海外行っちゃったし。

 

 

なんなのよーこの親子!(笑)

 

 

と、家族の説明は置いといて。

ほんとどうしよう。

今回は行きたかったんだけどな...。

 

 

 

「ミニョーン! そろそろ着替えに入ってー!」

メイク担当の女生徒が声をかけてきた。

 

 

姉さん、やっぱり来れないよな。

今年の演目は、絶対姉さんに見て欲しかったのに。

 

 

スマホをじっと見つめながら俺はため息をついた。

 

 

 

客席の照明が落ちる。

ステージの幕が上がり、俺たちに次々とスポットライトが当たり始める。

 

 

通し稽古の時と同じように順調に進行していくステージ。

クライマックスに向けセリフが徐々に熱を帯びていく最中だった。

俺がある人の姿に気づいたのは。

 

 

 

相手役の女生徒の先に、見慣れた人物がいる。

いつも優しい笑顔を向けてくれるたった一人の大切な人。

 

 

姉さんだった。

 

 

来てくれたんだ!!!

嬉しすぎて思わずセリフが飛びそうになるのを必死にこらえる俺がいた。

 

 

 

わぁ...

私は壇上に組み上げられたテラスに立つ人物をじっと見つめた。

弟とは思えないほど凛々しい姿...

 

 

あれがミニョンなの??

普段とのギャップに、あまりの変貌ぶりに、思わず口元が緩むのを両手で隠す。

 

 

「絶対見に来て」 ってこれまでにないくらい念を押されてたけど、てっきり 「最後だから見に来て」 って意味だと思ってた。

そうじゃなかった。

 

 

この演目は、母が大好きだったものだ。

 

 

ミニョン、覚えてたんだ。

お母さんが好きだったこのお芝居。

そして母が一番好きだった役をミニョンが演じてる。

 

 

そっか。だからあれほど...

私の目から自然と涙がこぼれた。

 

 

お母さん。

ミニョン覚えてたよ。

あの時まだ小さかったミニョンが、お母さんの好きなもの覚えてたよ。

きっと見てるよね。

『ミニョン素敵よ~』 ってきっとはしゃいでるよね。

 

 

 

大歓声の中ステージは無事幕を下ろした。

 

 

 

 

「ミニョン」

私は静かになった舞台裏で座り込む弟に声をかけた。

 

 

「姉さん...」

ミニョンが呆けたような顔で私を見上げた。

 

 

「すごく良かったよ。感動して、思わず泣いちゃったもん。

覚えてたんだね、このお芝居」

「うん。俺の記憶の中で、母さんが好きだったもの、これだけしかなくて。

今回母さんが好きだった役に決まって、それで...」

いつもクールで泣き顔を絶対に人に見せたことがないミニョンの目が揺れ始める。

 

 

私はそんな弟が愛おしくて、ギュッと抱き締めた......

 

 

 

 

上記画像全て 出典:ファン・ミニョン 公式Instagram

 

 

 

 

日常は, ときめきと潤いが大事!

以上 “もそろぐ(妄想ブログ)” でした~♡(なにそれ 笑)

 

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