死亡動悸
やっぱりあたしには
****くんが居ないと
駄目みたい
暖かい日溜を
掻乱す様に吹き上げる
木枯らしの中で
煙に溜息を溶かす
わざとらしく
口に出したところで
何が変わる訳でもない
そんな事は端から解ってる
だけど
如何しても此れだけは
云っておきたくて
云っておかなくちゃならなくて
それはね、
久し振りに行った
あなたの家の玄関にあった
ふたつの大きな黄色い袋
取手が引き千切れそうな位
薄くて酔えない
甘い甘いカンカンが
詰まってたんだよ
滲んだ雫で睫毛が濡れる
幾ら仕事で疲れていても
終わらない私事で滅入って居ても
余命が半月しかないこと
一番解って居るあなたなのに
あたしは初めて
心底愛でたんだよ
あなたと出逢えた事が
あなたと過ごした日々が
あなたと垣間見る此からが
一番の仕合わせなんだよ