さくら
二週間前、
三部咲きだった桜は
私が、時折雪の舞う
灰色の空を仰いで居る内に
すっかり葉桜になっていた
一番大切な人が
隣りに居ない事
もう此処には
帰って来ない事だけが
今迄と違う
元通りの日常は
全く違う日常
通りに面した部屋には
相変わらず
五分毎にバスが往来し
発進音が置き去りにされる
二輪や四輪の
エンジン音が
風を切って
砂埃と渦を巻く
それは乗り慣れた
スペイシーの音ではないし
ラウムさんの音でもなくて
知らない誰かの捨てた
私にはどうでもいい音
本当にほしいのは
あなたからの着信音と
その15分後に聞こえる
ドアを開ける音なのに
もう暫く
耳に触れる事はなくて
疲れたあの人を
癒せることもなくて
その内ほつれちゃって
消えてしまうのかな
あなたと過ごした日々が
鮮やかで褪せなくて
あなたを失った此の街に
色を見出せそうにないよ
三部咲きだった桜は
私が、時折雪の舞う
灰色の空を仰いで居る内に
すっかり葉桜になっていた
一番大切な人が
隣りに居ない事
もう此処には
帰って来ない事だけが
今迄と違う
元通りの日常は
全く違う日常
通りに面した部屋には
相変わらず
五分毎にバスが往来し
発進音が置き去りにされる
二輪や四輪の
エンジン音が
風を切って
砂埃と渦を巻く
それは乗り慣れた
スペイシーの音ではないし
ラウムさんの音でもなくて
知らない誰かの捨てた
私にはどうでもいい音
本当にほしいのは
あなたからの着信音と
その15分後に聞こえる
ドアを開ける音なのに
もう暫く
耳に触れる事はなくて
疲れたあの人を
癒せることもなくて
その内ほつれちゃって
消えてしまうのかな
あなたと過ごした日々が
鮮やかで褪せなくて
あなたを失った此の街に
色を見出せそうにないよ