迫り来る余命 | trip*trap

迫り来る余命


しっかりと掴まえて
ギュッてして
お願い、離さないで

意図惜しいあなたの大きな手
情けなく荒れた小さな手
其れと此れとの繋ぎ目は
如何しても脆く儚くて
同じ未来には到底
触れられない気がしてならない

もうそこまで来ている春の
暖かい風と一緒に舞い上がって
瞬きを解いた次の瞬間には
気配すら遺さず
攫われて仕舞っていそうで


失う事の恐怖をずっと隠して来た
隠見を嫌うあなたに障らない様に
楽観が仕合わせに繋がるのだと
騙しながら呼吸を重ねて来た

変えられない未来は
すぐそこまで来ていて
今更足掻いても仕様がないのに
今無くなるのが怖くて
此れから薄れて行くのが怖くて
どうせなら今の内に断ち斬って
遠くへ逃げて仕舞いたい

あの話
口火を切るのは
そう遠い話では無さそうだ