文字の綴り方すら忘れる | trip*trap

文字の綴り方すら忘れる


昨日は酷いで鬱で

死に方ばっかり考えてた

でもあの人に会いたくて

会いたくてリタを飲んだ


ハルだと記憶を失うから

あの人に指摘されちゃうから

病院行けって云われちゃうから

リタを沢山飲んだ


ドキドキソワソワして仕方が無かった


リタだと変じゃないんだって

普通に見えるんだって


 いつもそれ飲めば善いのに


そうだね、解ってるよ

でもあたしはずっと心臓が浮いてた

それを言葉にしても

あの人は理解してくれなかった


風を切りながら


 今日はどうしたの?って


あの人が訊いたから

不安で不安で溜まらなかったと応えた


真夏にね缶酎ハイ片手に

星を仰いで草むらに腰掛けて

40キロ先のあの人に吠えた事を思い出した


不安だよ

不安で不安で溜まらないの

あたしの事スキじゃないんでしょ

あたしと一緒に居る事で

あなたにメリットが有ると思えない

どうせあたしを置いて行くんでしょう


其のときも其れからも

答えは返ってこなかったね

半ば諦めてたんだよ

春で芽を摘む心構えを

しようとしてたんだよ


なのに急にそんな事云わないで


 不安ですいません


散々抱き合った後の熱冷ましで

氷を頬張るあたしに急に云わないで


 冷たい男ですいません


全て意図してた?

あたしに気付いてた?

自分を晒してた?

ふたりの先を見据えてた?


 明日は朝早いから

 今日は是非とも家に来てね

 俺を起こしてね


嬉しいのに哀しくて涙が出るのは

あなたが出張に出るからではなくて

あたしは目覚ましなのって疑問符でもなくて

あなたの方が先に起きる癖にって含み笑いでもなくて

あなたが本当の旅立ちの日に

同じ様な言葉を吐いてしまう予感でもなくて

あなたがあたしを必要としてくれてる実感でもない


あなたは気付いてた

木枯らしと共に緞帳が堕ちる事

あなたは確信してた

華が咲く前に摘み取る事


あなたが居なくなるまで耐える自身なんて

今のあたしにはこれっぽっちも無いよ