『仮面ライダー鎧武』が最終回を迎えました。

。。。。。。


…うーん。

『ウィザード』までの2話完結・ゲストのお悩み相談形式を廃止したのは良かったですが、凄く面白かった!かというと微妙ですね。
まず呉島 貴虎/仮面ライダー斬月の扱いが分からない。
一応メインキャラなんだろうけど、その割にはだんだん扱いが悪くなっていく。
まだ目的が明かされず、謎の強キャラ感が出ていた序盤が一番良かった。
次第に目的が明確になり、人類の未来を背負って戦っていることが明らかになった辺りもまだ良かった。
でもユグドラシル幹部の中で一人だけオーバーロードの存在を知らなかったり、やっと葛葉 紘汰/仮面ライダー鎧武と和解したと思ったら次の週には戦極 凌馬/仮面ライダーデュークらに裏切られたり、その後は森に放置でオーバーロードの王・ロシュオの話し相手になってたり、やっと沢芽市に戻ってきたと思ったら他のキャラと共闘する暇もなく水落ち、最終回まで海を彷徨うとか…
メインキャラというには扱いがあまりにも雑では。
しかもDJサガラが目を付けていた若者達の中に含まれていません。
ヒロインの高司 舞と交流もなかったので、オルタナティヴ舞/始まりの女から警告もされていません。

凰蓮・ピエール・アルフォンゾ/仮面ライダーブラーボ、城乃内 秀保/仮面ライダーグリドンの扱いもなあ。
改心後となるオーバーロード編以降はまだマシですが、中盤の単なるお邪魔キャラでしかなかった期間が痛かった。凰蓮の仕事の流儀など、カッコいいシーンも挟んでいただけに、「その行動ってプロとしてどうなの?」と突っ込みたくなる場面もちらほら。
城乃内に到っては主義も無く凰蓮の子分になってるような描写ばかりで苛々。
「凰蓮に取り入って他のチームをやっつけて貰う」という目論見があった割にはパシリばっかりで策士っぽくないし。
ユグドラシルの幹部達と殆ど絡みが無かったのも残念。
話の本筋を紘汰や駆紋 戒斗/仮面ライダーバロンとユグドラシルで回している間、街でインベスと戦うザック/仮面ライダーナックルにいちゃもんをつける為だけに登場していただけのイメージが強いです。
それだけに、グリドン特訓回ではそれまでのイメージを払拭出来るかと思えば、単なるギャグ回で終わってしまいましたし。
それなのにいきなりオーバーロード・デェムシュの襲撃に颯爽と助太刀に来られても、あんまり盛り上がらない…特訓したのなら少しずつでもそういう描写を挟んで欲しかった。
それこそ特訓回のようなギャグでは無く、本当にグリドンが強くなっているのが伝わってくるようなシーンがあれば良かった。
初期型の戦極ドライバーをバージョンアップしてましたが、特にデメリットも何もなかったのも惜しい。
あと、凰蓮&城乃内コンビが出てくると高確率で薄ら寒いギャグやアニメ寄りの過剰な演出がされるのがとても嫌でした。
凰蓮自体は好きなキャラなので、寒いギャグよりも頼もしさを感じさせる描写を増やして欲しかった。

呉島 光実/仮面ライダー龍玄/仮面ライダー龍玄・黄泉関連の処遇に関して。
これは…もう。
ビートライダーズ編では紘汰の弟分、頼れる参謀として。
ユグドラシル編では仲間とユグドラシルの使命の間で揺れるスパイとして。
ヘルヘイム編、オーバーロード編では紘汰の抹殺、舞だけを救うために動く狂戦士として。
最終章では舞を失った抜け殻、そして本当のヒーローとして。
作中のキャラの中でも最も立ち位置が変化したキャラですが、オーバーロード編で自らの素性を知られてからは、兄の殺害未遂、絋汰の姉・晶やチーム鎧武のラット・リカの拘束、チームバロンのペコへの暴行と、かなりやりたい放題していました。
それなのに全てが終わった後はオーバーロードに利用された被害者、人を殺していないからOK!みたいな感じで社会的に何のお咎めもないのはちょっと…
ペコ一人だけキレていたのが空気読めてないみたいな扱いになりそうですが、あれだけ暴行を受ければペコの反応が普通な訳で。
寧ろラットやリカも光実の処遇に関して難色を示すのが普通な気もします。
ガセバレの中に「これまで自分の都合の良い様に扱ってきた下級インベスに成り果て、ヘルヘイムの森に放置されて絶叫する」という末路がありましたが、正直それが一番良かった気も。
死んで欲しかったけど、死なないなら死なないで悲惨な末路を遂げて欲しかった。
っていうか直接は手を下してませんが、結果的にシド/仮面ライダーシグルドを見殺しにしてますよね。
このファブリーズ野郎(笑)

主人公の紘汰がブレブレで好きになれないという意見を良く聞きますが、そこまでではないものの、私も首を傾げる場面が幾つかありました。
サガラの話を鵜呑みにし、オーバーロードこそヘルヘイムの地球侵略を止める希望になると思い込む→その後の光実との会話で「サガラが俺を騙そうとするなら、それなりの理由がある筈」「騙されているかもしれないけど、サガラの話に乗ってみる」と発言→サガラに対して「騙してたのか!」とキレる…騙されているかもしれないと考えていたんじゃないの?
初瀬のインベス化を見ても裕也の末路・インベスの正体に気付かない
ヘルヘイムの森を調査するために他のライダーを囮にする→目の前でグリドンが苦戦しているのに助けもせず隠れている
「俺は覚悟を決めた!」と言っている割に光実の変身した斬月・真を倒せない→「覚悟を決めた!」のループ。一度覚悟を決めたら暫くは戦えるけど、またすぐに別の覚悟が必要になる=覚悟はドラッグだなんてネタにされてたし。

やっぱりキャラの数が多いのが原因ですかね。
誰かが話の中心にいる間は脇役は放置ですし、沢山いるキャラを持て余し気味、という印象が強いです。
特にブラーボグリドン。
中盤から最終章にかけて一つのキーとなる『禁断の果実』もなあ。
万能かと思いきや、時間の強制力には逆らえなかったり、死者には食べさせられなかったり、思った程凄くないような。何より、あんな金髪で変なコスプレをしたくないです。
禁断の果実を食べた者が金髪コスプレになるのって、何だかアニメ的な演出ですよね。
アニメなら映えるだろうけど実写だとギャグにしか見えない。
ライダーが沢山いる割には、禁断の果実を狙うキャラが少なかったような気もします。
光実と湊 耀子/仮面ライダーマリカは興味がないと言っていましたし、初瀬 亮二/仮面ライダー黒影は果実の存在が明らかになる前に死亡、ナックルグリドンブラーボはそもそも存在すら知らなかったような。
貴虎も恐らく果実の力には興味ないでしょう。支配者になるより身を削って正義に尽くすタイプですし。
11人中7人は禁断の果実に絡まない。
シドの様に、他のライバルを出し抜いて果実を狙うキャラがいても良かったのでは。

同じ多人数ライダーの『龍騎』がライダー同士の殺し合いを描くのに対し、『鎧武』は禁断の果実を巡る争奪戦を描けば上手いこと差別化も図れるし、作品の特色にもなったはず。
散々シドや凌馬やDJサガラの口から「果実を手に出来るのは奪い合い、勝ち残ったただ一人だけ」「いつだって黄金の果実の伝承は血塗られてきた」と煽って来たのですから、もっと奪い合いを描いて欲しかった…
蓋を開けてみればシドが死んだ後は果実を巡って争ったのは凌馬、戒斗、絋汰だけで、他はその他大勢みたいな扱いだったのが何とも言えない。

チーム鎧武に関しても、チャッキーばかり目立ってリカやラットが長いこと出番がなかったのが悲しい。
チャッキーとリカって中の人は同じアイドルユニット?ですよね。どうしてこんなに差が付いたんだろう。
ラットも初瀬インベスからリカを守って怪我をしたり、良い奴だったのに扱いが悪過ぎ…ラットが負傷したことでチーム鎧武も本格的に話に絡んでくる。そう思っていた時期が私にもありました。
チームPOP UPのお姉さんにラットが軽くあしらわれる場面とか面白かったのになあ。
オーバーロード編でチーム鎧武のユニフォームを着てなかったり光実の本性を知らなかったり、作中でも長いこと仲間とは連絡を取ってなかったみたいですね、リカとラット。初瀬インベス事件を契機に付き合ってたのかな?と推測すると楽しいですが、その実、ペコやザックが合流したことで画面が窮屈になったから出番を減らしたとしか思えない。確かにペコとラットはキャラが被るけどさ…
真偽は不明ですが、ラットはライダーになる案があったらしいですね。
ザックとラットのどちらかがライダーになるという案が出ており、ザックがライダーになった結果、ラットは空気化したとかなんとか。
元々ザックってすぐ消える予定だったみたいだし、もしかしたらラットがチーム鎧武3人目のライダーになっていたかもしれませんね。

「ライダー戦国時代」と煽った割には、戦国時代の群雄割拠感があったのは序盤だけでした。
次々にキャラの関係性が変化するという意味での戦国要素だったのかもしれませんが、チームを代表するライダー同士の抗争という構図だっただけに、群雄割拠感を期待しちゃうよなあ。
チーム同士の抗争といっても数回だけで、初期はひたすらダンスかインベスゲームばかりな印象。
ぶっちゃけ第1話を見た後はグリドン黒影登場まで見てなかったから何とも言えないけど。
というかグリドン黒影ブラーボ登場のネタバレがなかったら鎧武見てなかった(笑)
当初はブラーボはサブキャラを殺していく「キャラクター退場マシーン」「龍騎に於ける王蛇ポジ」、はたまた「数話で退場するシザースポジ」とか言われていましたね。
当時の掲示板やブログを見ると、今とはだいぶ違った展開予想がされていて面白いです。
寧ろそういう当初の予想やガセバレの方が面白いという(笑)

そういえば、インベスに襲われた被害者の体から植物が生えるって設定どうなったんですかね。
戒斗はドライバーの力でどうにか浸食を抑えてましたが、序盤の被害者は多分死んでますよね。
散々鬱展開って言われてた割には、見せ方や表現規制のせいかそんなに鬱でもなかったような。
鬱!って騒いでるのは信者くらいですよね。
あとインベスの正体を知ってショックを受けていた紘汰が、次回か次々回くらいには普通にインベスを倒していたのも雑だなあ。
うじうじ悩まれてもあれですが、インベスの正体の件をすっかり忘れてるとしか思えない。
始まりの女関連も雑だったし。
2話完結を廃したことで毎回続きが気になるのは良かったですが、続きを見ると肩透かし、次回に期待を繰り返しただけな気もする。

次回が楽しみ!→あれ、今週微妙…次回に期待!→あれ、今週微妙…次回に期待!

放送中は正にこんな感じでした。
信者が絶賛してるの見ると何だかなあ、と思う。。。。
正直『電王』から見始めた奴とか平成二期しか知らない奴が「鎧武最高!」「今までで一番面白い!」とか言ってるの見ると失笑しちゃう。
初期の平成ライダー見てからそういう寝言は言え、と。
私って鬱陶しい平成初期信者なんだなあ…と実感させられる作品だった。鎧武。

ビートライダーズ編→ユグドラシル編→ヘルヘイム編→オーバーロード編→禁断の果実編と、次々に展開が動くのは今後の作品でもやって欲しいですけど。
展開の変遷に伴い、戦う相手が変わるのも凄く新鮮でした。
ビートライダーズ編ではチーム同士の抗争、ユグドラシル編、ヘルヘイム編では一部のビートライダーズとユグドラシル、オーバーロード編ではビートライダーズVSユグドラシルVSオーバーロードの三つ巴…からのユグドラシル陥落に伴うビートライダーズVSオーバーロード、最終章ではまた序盤の様なライダー同士の抗争。
これだけ戦力図が入れ替わるライダーも珍しい。多人数ライダーならではですね。
まあ同じ多人数ライダーでも『龍騎』よりは『カブト』に近いかな。キャラの持て余し感とか。
『龍騎』『カブト』でライダーになったから、阪東さんには『鎧武』でもライダーになって欲しかったです。
果物モチーフなのに出て来ないフルーツが多かったり、もっとライダーが出るかと思えばそうでもなかったのが肩透かし。

規制が厳しいのか、ライダーの死亡シーンが微妙なのも多かったな。
インベス化して死ぬか怪人に殺されるか転落死かで。
ライダーバトルで死んだのって戒斗と邪武だけかな?
そういや何気にザックって湊を殺してますよね。
ベルトが壊れて変身不能になるキャラが続出する展開は良いですが、そこに持っていくまでの流れが急過ぎるというかなんというか。

コラボ回自体は面白かったけど、挟むタイミングが酷過ぎて何とも言えない。
最終回に登場したコウガネ/仮面ライダー邪武も本当に小物でしたが、まあ1話で死ぬ敵だし仕方ないか。

最終回でレイドワイルドのデブが見られたのは良かった。
インヴィットの眼鏡っ娘も相変わらず可愛かった。無事で良かった(笑)

因みに私がビートライダーズの中で好きなキャラは、

1位.インヴィットの眼鏡っ娘(メイちゃん?)


2位.レイドワイルドのデブ


3位.曽野村



です。

一年間鎧武を見て、点数をつけるとしたら65~70点くらい?
二期ライダーに飽き始めてて、フォーゼ・ウィザード見てなかったから、久し振りにライダーに夢中になれたのは凄く良かった。
何だかんだで、二期の中では一番好きです。

『クウガ』『アギト』『龍騎』には及ばないけど(笑)
あの辺の作品って、何度も見返したくなるんですよね…その点『鎧武』は二度目は良いかな、って思ってしまう。
総括:アギト最高←

今月から始まる新番組の『仮面ライダードライブ』も楽しみです。