浮かぶ華
『浮かぶ華』


何かであったであろうその声に


何かになったであろうその声に


私は遠のき慄く



病の院の帰り道


ぽっかりと都会に空いた天の窓には一等星



あぁ


こんなにも冬になったのかと


寒さに身を縮めながら


taxiのテールランプを見つめていたら


それが炎に見えてきた



一等星の輝きもいいが


車のテールランプも悪くはない



家に帰ってからの蛍光灯の灯りよりかは


悪くはない



蛍光灯の灯りは


冷たさばかりを与えるから