役員の仕事には、
1年で役員が変わっても簡単に進められるように、
マニュアルみたいなのがあった。
マニュアルがなくても、
前年度を参考にすれば、なんとかなる。
なにかと大変になる役員の仕事。
こうすれば簡単にできると考えられたマニュアルは
ありがたいもの。
でも。
印刷物を作って配布するという作業を
前年度の役員から引き継ぎながら
進めていた時のこと。
(なんで、こうなっているのかな?
わかりにくいなあ、このプリント…)
前年度のデータの日付を変えるだけでもいいのに、
つい私は悩み始めてしまった。
(この幼稚園は思いが強い保護者が多いみたいだし、
様子がわかってない私が変えるのはちょっとなあ)
でもなあ、とぐちぐち言いながら、家で作業。
作業は進まないし、終わらない。
「過去の人に責任を負わせなくてもいいんじゃない?」
そばで本を読んでいた夫が、そんな感じのことを言った。
「それがいい、と思ってたから
そうなっていたわけでもないかもしれないし」
はっとした。
イメージさえうまくできない人たちのことを気にして、
大事にしているものを変えたら批判をうけるんじゃないか、
傷つけるんじゃないか、
勝手に考えて、「変じゃない?」を作り出していた。
誰も、何も、言ってない。
そこからは、プリントをさっと数枚作って、
翌日、一緒にやっている人に、これでどう?と見てもらった。
「いいと思うよ」とあっさりした返事。
それを印刷した。
後日。
ある保護者の人がすれ違いざまに
「あれ作ったの、あなただよね、
今までと違うけど、いい感じ」と声をかけられた。
幼稚園のことなら○○さん、ってくらいの人は、
私の想像するよりもずっとずっと懐が広かった。