私もインタビュー記事を書いていますが、所詮は素人なもんで
やっぱりプロの書いた記事は凄いなぁと、SL関連記事を見る度に思います。


その中でもこの方は「日本初のインワールド・リポーター」として
アスキーインプレスSL Style Magazine 等で記事を連載し、
常に興味深い記事を提供しながら、SLの発展にジャーナリズムで貢献されていて、

また月刊アスキーではビジネス視点での連載のアドバイザーも行っている等、

多岐にわたる活動をされていらっしゃいます。


本日はそのインワールド・リポーター、Chizzy Dilleyさんにお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: SLを始めたきっかけを教えてください。


Chizzy Dilley: RLで元々ジャーナリストをしておりますので、米国事情などを常に追っていました。
昨年、CNNだったかで、セカンドライフの事がとりあげられていて、
それを見た瞬間にこれは!と感じていました。
その時、Linden LabのCEO Philipのアバターが、
キーボードを打ちながらチャットをしている姿がとにかく衝撃的だったんです。


emo8889 Xeno: ジャーナリストとしては具体的にどんなお仕事を?


Chizzy Dilley: 元々、IT業界のマーケティングやPRなどに関わったお仕事をしていました。
色々調査をしてレポートしたりといった事もしています。海外にもよく行きます。
その流れでここ数年はいくつかの雑誌に執筆活動もしていました。


ただ、自分自身ではライター、記者という単独の位置づけには思っていないんです。
外から見るとそう見えるかとは思いますが、書くことだけがメインではないので。



「Matrixはおこりうるんだと瞬間に実感した」

emo8889 Xeno: 実際SL始めてみてどんな感想を持ちましたか?


Chizzy Dilley: Matrixが来る!ですね。
実際には、Matrixはおこりうるんだと瞬間に実感したというか、
何年か前から、バーチャルの発展的なイメージを頭で持っていたんです。


emo8889 Xeno: といいますと?


Chizzy Dilley: 例えばMicrosoftやIntel等、海外のイベントでカンフェランスに出席すると、
彼らのプレゼンテーションでは、もう数年前から、
未来型のテクノロジーを紹介する時に、そういったイメージを伝えてきていて、
画面の中の3D空間ではなく、さらにリアル空間の中でも行き来する、
そんなイメージが実際のテクノロジーを追う中で見えてきていたんです。


でもMatrixまでは起こりえないと思っていたんですが、
セカンドライフに入った瞬間に「起こりうる」と感じました。
それがとにかく一番最初のインスピレーションでした。


emo8889 Xeno: それからはどのような活動をされていたのですか?


Chizzy Dilley: 1月入って、まだ日本はそれほど発展していなくて、MagSLなどもポツポツあるだけ。
だから私は多くの時間は海外のSIMに行き、どんな所があるのかなど見聞きしていました。

それから、物作りにも興味を持ち、
リアルでデジハリが講座をやっているのに出てみようかとか考えたり・・・。


そのうち、日本のSIMにもチラホラと人がいるようになってきて、
AkibaのカフェやASHIYUに行くと沢山の人が話している、
そんなのを面白いなと思うようになりました。


emo8889 Xeno:人の集まる所は色々な面白い話が聞けますよね。


Chizzy Dilley: このバーチャル空間に関して、色々話したりすると、
みな何か可能性みたいなものを感じている。
それで最初は取材というよりは、土地オーナーになる人や、
SLで何かをしたい人、している人たち等に、話を聞いたりという事が自然に増えてきました。

日本の情報が少なかったので色々な人とのつながりだけが便りでしたから。
その時にNaviSLのZATOさんや渋谷の神様(Nakatoさん)を始め沢山の人と知り合いました。


emo8889 Xeno: その頃から流行の兆しはありましたよね。


Chizzy Dilley: はい、その頃(2月)からRLで関わっている媒体関係者に
「SLくるから」と言いまくってたんですが、相手にされずにいたので、
私はとにかく仕事とは関係なくやっていました。


しかし3月になってある特集をやる事になり、改めてRLの編集さんや読者と、
SL内の温度差があまりに大きい事を実感して、
その間を取り持ち、ちゃんと中の事を伝える必要があると感じました。


emo8889 Xeno: それは使命感に近いものがありますね。


Chizzy Dilley: そして4月にはどんどんメディアが取り上げる様になってきたんですが、
その時、報道の仕方が何か違うな~と感じていて、
私はもっとロイターがやっている事に近い物をやりたくなっていたんです。
そして丁度その頃、月刊アスキーというビジネス雑誌で、SL特集をする事になり、
色々調べ回って、RLで人とお会いしたりという事がまたぐんと増えたんです。


emo8889 Xeno: 何か違うというのは?


Chizzy Dilley: その時だけ中に入ってきて、ちょっとやってみたけどつまらなかったという話だったり、
SLでお金がこれだけ儲かった人がいる、とか、またSLは流行るか流行らないかという話題だったり、
観点が違うと思っていました。


emo8889 Xeno: それからどんどん多忙になっていくわけですね。


Chizzy Dilley: インワールドからの発進という位置づけから、
すでにSLとRLを行き来するというのが自然な感覚になっていました。
1つの媒体やRLだけ、SLだけという事ではなく、SL Style Magazine にも関わらせてもらったり、
アスキーの公式WEBサイトでの「セカンドライフレポート」 のホスト役を勤めたり、
そしてインプレスフォーラム でも記事を書いたりと、
フリーランスという位置づけでのインワールドリポーターとしての活動が定着してきた感じです。




emo8889 Xeno: そもそもなぜインワールド・リポーターになろうと思ったんですか?


Chizzy Dilley: RLでもそうだったんですが、なろうと思ってというよりは、
こちらとこちらに情報があって、あるいはそれが人と人だったり、
それを結びつけたら良いのに!というひらめきがあると、とにかく伝えたいんです。


普通は個人で口コミだったりとなるわけですが、それをパブリックに発信することで、
どこかの誰かのアンテナに引っかかってくれたら良いなと。
そんな感じで動いていると、自然に記事を書いたりという事になっています。


セカンドライフではRLと同じことはできますから、それ以上の事じゃないとつまらない。
で、あればライターではなくレポーター、映像や音や文字情報だけではないので、
自然にインワールドレポーターと名乗っていましたw


「とにかく自分で見て、聞いて、調べて、人と話して」
emo8889 Xeno: 取材のポイントみたいな物はあるんでしょうか?


Chizzy Dilley: 私が現在、SLで関わっている中で、取材はいくつかのパターンがあります。
1つはSL内の色々なSIMやイベントなどをとにかく自分の足でレポートして歩くこと、
もう1つはその中の人物に直接お話を聞く事、emoさんもインタビューをされていますが、
同じような目的でお話を聞く場合もあれば、とにかく知りたいという気持ちや、
何か出来事などの裏づけをとる為には、
やはり単なる情報ではなく自分でお聞きしたいというのがあります。


また、時にはそれが発展して、リアルでも直接お会いしてお話を聞いたり、
資料をみせて頂いたりという事があります。
なのでポイントと言うよりは、私の取材へのスタンスですが
とにかく自分で見て、聞いて、調べて、人と話して、SLの事はSLで実体験してというのが基本となります。


emo8889 Xeno: 具体的にはどのような感じですか?


Chizzy Dilley: 例えば企業参入などの話は、リアルで記者会見に行き、
普通はそこでリリースを元に、こんなことがあるよ~と書いて終わりですが、
私の場合は、その背景や、関わっている人物、なぜSLに参入しようとしたのか、
あるいは、SLをどう感じているのか、そして蓋を開いてみた後の状況や発展具合などに興味があります。

取材はとにかく時間がかかりますが、全てがその場の記事だけを目的にしているわけではなく、
SLは全てが繋がっているので、時系列でも空間列にしても、
追い続ける事で全体が見えてくると感じています。


emo8889 Xeno: では今後どのような活動を予定されていますでしょうか?


Chizzy Dilley: 成すがまま・・・です。メタバの世界はすでに動き出しているし、
まだ霧がかかった状態であっても、その先に必ずくるもの。
そこに身を投じて、SLの歴史をできる限り、自分の目で見ておきたい。

すでに1月からの日本国内での流れは凄まじいものがありますが、
こうした歴史をメモにとりながら、いつかそれをまとめたいとは思っていますけどw


emo8889 Xeno: 改めて今思う、SLへの感想、そして感じている魅力を教えてください。


Chizzy Dilley: 最初にSLに入って、日本のSIMはosakaに来たのがはじめだったんですけど。
まだ当時英語のままでチャットはフォントを入れないとできないという状態で、
右も左もわからず・・・。アバターはディフォルトで不細工なまま・・・。


そんな私にコンビニの前でたむろしていた8SUOさんが、
親切に日本語のインストの仕方を教えてくれたんです。

なんだろうこれって・・・もう言葉にできないけど、
文字にすると薄っぺらいのでなかなか記事にも出来ないのですが、
「人の本当のやさしさ」とか「ピュアな気持ち」を凄く感じたんです。


その後も常にそうです。色々な場所で、
色んな人と出会う度に、ただ話してるだけで涙が出そうになる事は沢山あります。


emo8889 Xeno: 素晴らしい話だ。


Chizzy Dilley: だから、今もそうですが、仕事とかうんぬんではまったくないんですね。
仕事なら割り切って、「はい、ここまで取材して時間ないから切り上げ!」となると思うんですけど、
ここではそんな事思ったことないです。だから時間は本当に足りないけどw



「地球上のどんな人ともシームレス繋がれる空間」
emo8889 Xeno: 本当にSLが大好きなんですね。


Chizzy Dilley: 毎日RLで悲しい事や酷い事件がたくさんあるけど、
「まだまだ捨てたもんじゃないな」と思える社会がここにはある。
Flickerの共同創始者の女性が、早い時期に「人は人と繋がっていたい、と思い、それを求めている」
と話していたことが前から印象に強く残っているんですけど、
それがまさにSLではそうなんだなと感じ、また良いつながりが生まれている。


あとSLは、地球上のどんな人ともシームレス繋がれる空間だという事。
これは凄い事だと感じていて、海外SIMにいくとそれを実感しますね。
世の中には知らない国や生活をしている人がいて、そんな人たちとも巡り合わせてくれる。凄いです。


emo8889 Xeno: SLに国境はどこにもないですよね。


emo8889 Xeno: あと、身体の障害だったり、住んでいる環境などの制限にしばられず、
海外旅行をしたり、友人を作ったり、恋愛をしたりといった体験を出来るという空間である事に
ビジネスよりももっと可能性を感じていますし、そちらでの役割が大きくなっていくのではと感じています。


emo8889 Xeno: では最後に読者の方にメッセージをお願いします。


Chizzy Dilley: 最近、コミュニティがどんどん発展してきて、時には揉め事があったり、
イザコザもあったり、嫌がらせがあったりということもでてきました。
でも、見ていると解決策はなんであれ、そこでは皆、話あったりとしています。

そんな風に日本国内のSLは、次の発展時期にきている気がします。


ただ楽しいだけではなく、感情でいえば喜怒哀楽すべてが交差する空間です。
精神に伴う経験はまさにRLと同じでしょう?
泣いたり、笑ったり、とそれぞれのSL生活を満喫して欲しいな、と思います。


あと、身近な情報お待ちしています~。
(最近、WEBカメラ映像をライブ中継も始めたのでそちらもみてみてください ペコリ)



http://www.stickam.jp/profile/secondlifereport


emo8889 Xeno: ありがとうございました!

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Second Lifeに可能性を感じ、その魅力を外の世界に発信し続けているChizzyさんの
努力は本当に素晴らしい物があり、まさにプロフェッショナルの仕事と思いますし

そんなChizzyさんの努力による活動が、今のSLの認知度に繋がっていると言っても
決して過言ではないと思います。


最近のChizzyさん記事のまとめを頂きましたので、
是非みなさんもその素晴らしい記事を覗いてください!


WEBサイト
インプレスフォーラム
★日本の刺青技術、文化のすばらしさを、セカンドライフを通じ海外に伝えたい
 国内タトゥー職人が世界へ向けて「Tattoo collection2007」開催!
読む↓
http://sl.impressrd.jp/e/2007/09/26/203

★未来想像都市ストーリーで綴られた「BLUE RAVINE」21シム構想、第一弾オープン記念イベントレポ!
読む↓
http://sl.impressrd.jp/e/2007/09/18/177

★アスキーセカンドライフレポートでは、毎日のニュースを配信中
読む↓
http://blogmag.ascii.jp/secondlife/

★WEBカメラSticamでは、ネットとSLのコラボ、SLから生中継&ライブトーク
見る↓
http://www.stickam.jp/profile/secondlifereport

★アスキーの書籍から9/10発売「早期参入企業から学ぶ、セカンドライフビジネスの始め方」

読む↓

http://blogmag.ascii.jp/secondlife/2007/08/000824.html

早期参入企業から学ぶ セカンドライフビジネスの始め方/株式会社メルティングドッツ 浅枝大志

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