メンズのヘアーを売っているお店は国内ではそれほど数が多いわけではなく、
その中で選んでいくというのは、なかなか難しいもので、
私は半年くらい同じ髪型を利用しています。。


そんな中、センスの良いお店を紹介して頂きましたので尋ねてみました。
店内を一目見て、その製品のクオリティとセンスに驚いたのは、言うまでもありません。
本日はその「H2L」のオーナーHayate Ewingさんにお話をお伺いしました!
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emo8889 Xeno: まず最初にSLを始めたきっかけを教えてください。


Hayate Ewing: 仕事の繁忙期が終わって、なにかやるゲームがないかな、と捜していたんですが、
たまたまSLの記事が目に止まって、他に面白そうなのもないから、じゃあ試しに
1週間ばかり様子を見に行こう。ということで、サインアップしたんです。


ネットゲーム自体は10年やってまして、SLの噂は以前聞いたことがあったんですが、
たまたまSLを始めてみたらハマっただけで、今回はタイミングが良かったんだと思います。


emo8889 Xeno: では始めてみて最初のSLの印象はどうでしたか?


Hayate Ewing: 欧米風のアバターには慣れてたので、見た目に関しては、あーアメリカンだな
と思ったぐらいで、別にどうということはなかったんですけど、
きっかけのSLの記事というのが4gamerのクリエイター特集で、
そこに写ってるアバターがデフォルトと似ても似つかない見た目だったんですよ。


emo8889 Xeno: 最初がダサすぎますもんねw


Hayate Ewing:そうですねw
それで、まずアバターをまともにしようと思って、色々な場所に飛び回りました。
飛び回って色々見ているうちに、売られてるものの善し悪しとか、
そういうのがだんだんわかってきました。
でも、なにせお金がなかったので最初は苦労しましたが、アバターいじるのは楽しかったですね。


emo8889 Xeno: 物作りはそれからですよね。


Hayate Ewing: 最初自分の居場所と決めたのは桃源郷のサンドボックスです。
そこでプリムをいじろうとしたんですが、最初は何が何だかわからなくて、
適当にプリムをこねくり回して遊んでました。


そうこうしてるうちに何人か友達が出来まして、NOAHというグループにも混ぜてもらって
メンバーと、当時twinkleというSIMのサンドボックスで集まって、
自分が作った物を見せ合ったり、チャットしたりしてマッタリするようになりました。


「当時は髪ができた!って凄く嬉しかったのを覚えてます」

emo8889 Xeno: 髪作りはいつの段階で作成されたんですか?


Hayate Ewing: 桃源郷にいた頃に一番最初の髪を作ったんです。
今見ると、とんでもない出来で笑っちゃいますが、当時は髪ができた!って
凄く嬉しかったのを覚えてます。


emo8889 Xeno: なるほど。


Hayate Ewing: それからもtwinkleで友達で遊びながら髪を作り始めたんですが、
その頃Harajukuに土地を借りまして、売っても罰の当たらなそうな物が
なんとかできたので、こっそり売るようになりました。


emo8889 Xeno: そもそも何故髪を作ろうと思ったのですか?


Hayate Ewing: うーん。なんででしょう・・・。
その質問は予想していたので、あらかじめ考えてみたんですけど、
自分でもよくわかりませんでした。そもそも絵心がないんです。
それで何か作ろうかなと思っても、服やスキンは最初から対象外だったので、
一番最初に作ったのはメガネだったんです。




emo8889 Xeno: 物作り上手そうなのに、それは意外ですねー。


Hayate Ewing: 画像処理はできるんですけど、絵を描くと悲惨な絵ができますw
で、そのメガネは今もまだしつこく売ってるやつですが、
作っていてもなんか違うな~という気がして。

メガネを作ったことで、プリムのいじり方がなんとなく理解できたので、
じゃぁプリムで何作ろうって考えたんですが、
自分に何が作れるのか、よくわからなかったんですね。


emo8889 Xeno: それからどうやって髪に辿りついたんでしょうか?


Hayate Ewing: 絵が描けないのでテクスチャが必要な装飾品とかも問題外だし・・・と思って。
で、そんなこんなしてるうちに、たまたま買った髪をリサイズしようと地面に置いたんですよ。
そしたら髪の内部が見えて、こんな風になってるんだと。


これだったら絵が描けなくても作れるかもしれない、と思ったのがそもそもの始まりでしょうか。
その後、髪を一個バラバラにして観察してみて、なるほどと試しに一つ作ったのがきっかけです。


emo8889 Xeno: では改めてお店のご紹介をお願いします。


Hayate Ewing: 店名は「H2L」です。安直に、Hayate Hair Lab.の略ですね。



http://slurl.com/secondlife/Harajuku/115/91/22


現在作っている髪は、毛流れやシルエットを重視した髪を作っています。
よくあるSLチックな髪や、各地を飛び回る人に好まれる省プリムな髪は作らず、
ひたすら手間をかけてリアルな髪型を目指して作っています。


emo8889 Xeno: よくあるSLチックな髪??


Hayate Ewing: 例えばFlexなロングヘアがお尻の下まで来て、
頭部は同一プリムでざっと囲んだだけとか、
カールした髪の、カールが全て同じ形のプリムを使っているとか、
暗闇でほんのり髪が光ってるとか、そういう感じの髪の事です。


「可能な限り同じプリムを使い回さないようにしています」

emo8889 Xeno: 全体的なデザインで意識している事はありますか?


Hayate Ewing: そうですね・・・現在の路線を目指そうとしたのが、
Akaneという髪あたりからなんですが、その後のShunという髪からは
シェイプによる頭の形の違いを意識しています。



具体的には、どんな頭部の形でも、大きくさせすぎず収まるように、
全体的にゆったりめに、なおかつバランスいい形で作るようにしています。


それから、うちの髪は120~130プリム前後に収めるようにしていますが、
可能な限り同じプリムを使い回さないようにしています。
毛流れを意識して作る際、同じプリムを使い回すと、どうしても不自然になるので、
サイズや傾きやひねり具合を微妙に変えながら作るようにしています。

130プリムは多いと感じられるかもしれませんが、一カ所に留まって踊ったり
おしゃべりしたりする分には、何の問題もありません。ですので、そういう方々を対象にしています。
移動が多い方で装着するプリム数を極力減らしたい方は、うち以外のお店で買ってもらえばいいか
と考えてます。


emo8889 Xeno: デザイン自体はどうやって考えるのですか?


Hayate Ewing: 色々な物を参考にしてます。
想像だけで作ったのはFriskyBobという作品までで、




それ以後は、電車に乗ってる人を観察したり、テレビのタレントの髪型だったり、写真などを
参考にしてイメージを固めて、この形だったら、こういう感じで毛は流れているだろうと
想像を膨らませて作っています。


emo8889 Xeno: なんか難しそうですね・・・。


Hayate Ewing: 一番難しいのは後頭部ですね。
後頭部は正面から見えませんが、装着者はいつも見ているので、
後頭部をどうおさめるのかがいつも悩みます。


emo8889 Xeno: といいますと?


Hayate Ewing: 後頭部は単純に参考にできる資料が少ないんです。
ですから前面や側面を参考にしてどうしたらリアルに見えるのか、イメージをしなければいけなくて、
他の部分との整合性を取るのが難しいんだと思います。


実はRLでは、生まれてこのかた床屋しか行ったことないんですw
ですから、これまで自分で自分の髪をじっくり見たり、他の方の髪がセットされていく様子とかを
見る機会があまりなかったので、立体的に完全なイメージを作るのがしんどいですね。


emo8889 Xeno: アバターによって頭の形も違いますしね。


Hayate Ewing: 髪製作で難しいのは、先ほど言ったシェイプによる違いで、
思いも寄らなかった部分から頭がはみ出すのが最初は悩みの種でした。

今では、ありがたいことに試作品を試着してもらって批評してくれる友人が何人もいますので、
その点は解消されましたが、 今度は複雑な髪型を作ろうとして、
プリムの形状の制限に突きあたっています。


emo8889 Xeno: 意外と自由度ないですからね。


Hayate Ewing: そうなんです。テクスチャで複雑な髪の形を書いている髪もありますが、
あれは今の所やりたくないので、プリムの表現だけでどこまで作れるかが今後の課題です。


スカルプに関しては、先ほど言ったように、毛流れを一つずつ違うプリムで表現しようとしてる以上、
一つの髪型に対してスカルプテクスチャが何十種類も必要になりますので、非現実的だと考えています。
ですから、現状ではプリムの変形の制限内で、頑張っていこうと思っています。


emo8889 Xeno: 髪の製作以外には他にどんな活動を?


Hayate Ewing: お店も軌道に乗ってきたので、色んな所に遊びに行くようになったんですが、
色々飛び回っているうちに見つけた現在の居場所が、KABUKIにあるラウンジ響子です。



http://slurl.com/secondlife/KABUKI/138/105/28


ラウンジ響子で店番をしたりしているんですが、
一人で物を作っているよりはるかに楽しくて、
ただでさえ少ない製作時間がさらに少なくなりました(笑)
とはいっても友達も増えたし、とても楽しく過ごしています。


emo8889 Xeno: なぜラウンジ響子で店番を?


Hayate Ewing: Sae Rosseに呼ばれて遊びに行ったのが一番最初です。
ラウンジでかかっている曲が気に入って、その全てがSLでしか通して聞けないとわかって、
暇な時は曲を聞きに入り浸るようになりました。
ラウンジでかかっている曲はCHATEAU CLONDEAUXというRLのユニットで、
ラウンジ響子のオーナーのKyoko Okeyさんが歌っています。


最初は他の人とたいして話をするわけでもなく、
曲を聞きながら踊ったりRLで本読んだりしていましたが、
とにかくKyokoさんが良い人なので、そのうち話に引き込まれるようになって、
更に周囲の人と仲良くなるにつれて、ますます入り浸るようになりました。


そんなこんなしているうちに、他に誰もいないときに勝手に店番をするようになって、
気がついたらいつのまにか店員になっていました。


emo8889 Xeno: ラウンジ響子でコミュニティーの醍醐味を感じてるんですね。


Hayate Ewing: ネットゲームのキモは、人との交流にあると考えていますが、
SLにはその要素がたっぷりあります。その中でカフェやクラブ、
私の場合はラウンジですが、その店員をするというのは、
色々な人と出会って仲良くなれる良いきっかけでしょうね。無給ですがw


emo8889 Xeno: KABIKIは集まる人もバラエティに富んでますもんね。


Hayate Ewing: それに、自分の居場所を確保できますし。
私はネットゲームで遊んでいても自分の居場所がないと、結構しんどいタイプなんです。

かといって自分でいろんな場所に行って、友達を作りに行くような事もしないので
色々な人としゃべれて、一緒にバカなことをやれるというのが、
RLで疲れて帰ってきてから本当に良い息抜きになっています。


emo8889 Xeno: そんな多彩な活動をされて、今改めて感じるSLとは?


Hayate Ewing: SLは色々RLでできない事、出来ない格好をしたりできる。
しかもシステム的な制約があるとはいえ、その自由度は凄く広いという点でユニークだとは思います。
でもそういった要素を一皮剥くと、アバターの向こうには必ずモニターに向かっている人間がいる。
そうなるとやはり人と人の付き合いがそこにあるわけで、SLは一つの社会だと思うんですね。


emo8889 Xeno: そういった要素は重要なポイントですよね。


Hayate Ewing: やれ物作りだとか、やれ金儲けだと言ったところで、
やっぱり人間は一人じゃ生きていけないので、いかに人付き合いを楽しむかが、
そのまま、いかにSLを楽しむかに繋がってくるように思います。


初心者の方で、初対面なのにいきなりタメ口で話してくる人が多いですが、
そういう方達は、そういう方達自身が損してるんじゃないかと思うんです。
RLでいきなり「この辺にCD屋ない?」と横柄に道を聞かれたら教える気をなくすように、
SLでも同じようにいきなりタメ口で話したりすると、無視されたりして損をすると。


だからといって「恐れ入りますが」なんてかしこまる必要はなくて、
普通の礼儀をわきまえて話せば、その人が友達になるかもしれないし、
その友達からさらに輪が広がっていくかもしれません。あ・・・話が横にそれたw


emo8889 Xeno: でも凄くわかりますw


Hayate Ewing: だからSLはRLと同じように、アバターの向こうに人間がいる以上、
金儲けとか物作りとか関係なく、人との交流を楽しめるゲームだと思っています。
他のMMOだと戦闘システムに振り回されてなかなかこうはいきませんが、
SLではそれがないぶん、人との交流を思う存分楽しむ事が出来ますね。




「まずはこんにちはの挨拶から始めてみてはいかがでしょうか」

emo8889 Xeno: 最後に読者の方にメッセージをお願いします!


Hayate Ewing: 初心者の方で、やることがわからない。とか、どうやって楽しめばいいかわからないとか、
そういった話をよく聞きますが、まずはこんにちはの挨拶から始めてみてはいかがでしょうか。
最初の挨拶はとても勇気がいります。
話しかけた相手が忙しくて、相手をしてくれない事もあるかもしれません。
でもめげずに、ちょっと頑張ってみてください。まだ見ぬあなたの友達が必ずいるはずです。
友達ができれば、物作りで分からないことも相談できますし、自分の居場所ができると随分違いますよ。


あ、それからKABUKIのラウンジ響子では、毎週火曜日の23時から生ラジオを、
ゆるゆるトークでやっていますので(8/14はお休みです)
お暇な方はぜひ聞きにおいでください。




KABUKIが満杯で入れないときは、MM21というSIMのメイプルシロップと
SLingHokurikuというSIMのKラウンジでも聞けます。
また、ラウンジ響子のグループNoticeでは、ブラウザやiTunes等でも聞けるURLを配布しています。
どうぞよろしく(^^)


emo8889 Xeno: ありがとうございました!

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お話をお伺いすると、Hayateさんの商品のデザインポイントや
製作のこだわりが伝わってきます。
そしてショップ運営以外にもラウンジ響子でのラジオ活動など幅広い世界で
Second Lifeをエンジョイされ、またその世界を盛り上げられていると思いました。


男AVのみなさん、まず「H2L」に行って髪型をチェックしてみてください。
そしてラウンジ響子での生ラジオも聞いてみてください。
SLでの楽しみ方がまた更に深くなって、止められないものになるでしょう!