フラフラとSIM巡りをしていますと、昭和を再現したJPNというSIMを発見。
http://slurl.com/secondlife/JPN/128/128/0
夏祭り的な雰囲気が懐かしく太陽を夕方にして、見学していたら
どうやらテレビ東京主催という事がわかってきました。
そこで思い出したのが「テレビ東京がSecond Life参入、民放初」
という記事。
テレビ局が中心になってSIMイベント運営し、祭りをやるっていうのも
なかなかのチャレンジだな、というのが正直な感想で、
同時にその真意と目的が非常に気になりました。
本日はそのテレビ東京、デジタル事業推進局デジタルコンテンツ制作部の
渡辺豊さんこと、yutakawww Watanabeさんにお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: 貴社がSLに参入したきっかけと目的を教えてください。
yutakawww Watanabe: きっかけは世間で評判になっていた、ただそれだけです。
大体、昨年末から今年1月にかけて、会社内でセカンドライフの話を進め始めました。
やはり、数百万人が集い、そして更に急増するというのは、何かそこにあるわけで、
それが何か知りたかった事と、テレビ局として、そこにメディア価値、
広告媒体価値があるのかどうかを見極める必要があったのです。
「日本のテレビ局で初というのが充分なインパクト」
emo8889 Xeno: 各メディアから多数紹介されていますしね。
yutakawww Watanabe: また、こうした話題の世界に参入するのには
「日本のテレビ局で初」というのが
充分なインパクトになると分かっていたので、とにかく他社よりも早く、というのがプライオリティでした。
当初は「日本語版リリースにあわせて」と考えていたのですが、
リンデン社の応答はいつも「in a few month」という事だったので、見切り発車したのも事実です。
(もちろんコンテンツはそろえていましたが、「日本語版を待たなかった」という意味で)
emo8889 Xeno: そして、SLの世界に参入してみてどのような感想を持ちましたか?
yutakawww Watanabe: 企業として、その広告媒体価値を確かめるのは、
まだまだこれからだと思いますが、少なくとも、周囲のテレビ東京を見る目は変わりましたし、
取材されることで、更にSLの価値が周知されていき、
そしてまたテレトロ祭りの集客効果も上がっていく等の、良い循環が出来ている。
emo8889 Xeno: 見る目というのは具体的には?
yutakawww Watanabe: やはり、1番に参入したということで、
先進的なイメージで見られるようになりました。
emo8889 Xeno: 一定の成果は見えてきているわけですね。
yutakawww Watanabe: 実際に参入する前は、なぜみんなが集結するのか、
分からなかったんですが、実際参入してみると、自分自身病み付き(笑)
体験型マーケティングが、企業からも求められているのが良く分かりますし、
企業もその点を熟知して、広告を出してきています。
emo8889 Xeno: ではテレトロ祭りのテーマを教えてください。
yutakawww Watanabe: 基本は昭和30年代のレトロな雰囲気と、お祭りがテーマ。
そのテーマの中で、いかに良いコンテンツを届けるかが最も重要です。
遊び、楽しみ、癒し、祈り、などの要素を島の中に並べ、日本人向けの世界を揃えました。


emo8889 Xeno: なぜ昭和30年代?
yutakawww Watanabe: 我々自体が昭和30年代40年代の生まれで、
また、昨今三丁目の夕日など・・・レトロなものがブームになっていますよね?
あの風景が、我々のノスタルジーを誘うと同時に原点でもあるのです。
emo8889 Xeno: その世界がSLユーザーにも適合すると考えられたのですか?
yutakawww Watanabe: はい。ある意味・・・SLとはミスマッチな所が
受け入れてもらえるのではないかと思っています。
emo8889 Xeno: そしてテレトロ祭りを開いた目的は?
yutakawww Watanabe: 目的は「SLの媒体価値の検証」です。
例えば、SLそのものは島に入れる人間もサーバーの容量もあり、40~100人が限界だが、
SL動画を画面キャプチャしてライブでストリーミング配信できるようになれば、
Webでもその動画を見ることが出来るわけです。
実際もっと多くの人にSL内で、テレビ局が提供する「昭和」を見て欲しいです。
emo8889 Xeno: テレトロ祭りの具体的な内容を教えてください。
yutakawww Watanabe: 現在はまだ、盆踊りなどの本格的な祭りは始まっていないですが、
居酒屋と屋台は営業をしています。
特に居酒屋「いせや」は、終日客の途切れることのない人々のたまり場と化していますね。
また、神社前では参拝もできるし、現在は番組宣伝の看板、広告を出してくれた会社の看板だけですが、
これから広告が動画、看板、アバターなど色々な形で出現するでしょう。
emo8889 Xeno: そのテレトロ祭りを実施してみた感想を教えてください。
yutakawww Watanabe: 正直、やってよかった、という感想。
タイミング的にも日本語版が出たし、
何よりも日本のテレビ局で一番に参入したことが、やはり効果があった。
2番では効果は雲泥の差であったと思う。
集客の手応えもあり、これからどうするかが、今後の課題です。
「8月にイベントを体力の限りやるつもりです」
emo8889 Xeno: その今後についてのお考えを教えてください。
yutakawww Watanabe: 他社は人のスペース内で番組宣伝をやっているが、
弊社はSIMを丸ごと買った事により、金も人もかかる。
しかし、それは参入した時から分かっていた事です。
抽象的に言えば「体感型マーケットの効果を活かした宣伝・広告」ということが目的だが、
それについては、まず今後、祭り内でのコンテンツを充実させることが何より先決。
emo8889 Xeno: 具体的には?
yutakawww Watanabe: 7月下旬に「隅田川花火大会」(弊社のローカルで生中継)に合わせた花火大会。
8月にはテレトロ祭りコスプレ大会。また、宝探しゲームによるキャラクターカードの発行。
サンドボックスの設置。広告企業とのコラボ。島の各地にテレビを置いた動画配信。
emo8889 Xeno: 凄い精力的ですね!
yutakawww Watanabe: そして盆踊りなど。あとは思いつくままに、体力の限りやるだけですね。
(現在まったりとやっているだけでも結構な体力を使いますが、
8月にイベントを体力の限りやるつもりです)。
そして最後は島を爆破、炎上・・・?←まだ最後はわかりませんが。。。
いずれにせよ8月いっぱいで閉めます。
コンテンツを更新していくには短時間で良いものを提供するしかないのです。
emo8889 Xeno: 8月で閉めて、SLから離れてしまうのですか?
yutakawww Watanabe: いえ、離れるというわけではありません。8月で閉める理由は、
管理をしっかりして、新しいものを供給し続けるというサービス自体、
期間限定の方がやりやすいからです。
emo8889 Xeno: ではその後にまた新しい企画の可能性がありますね。
yutakawww Watanabe: はい。メディア価値・広告価値の検証を経て、
バリューがあるとの結論が得られれば、更に深入りしそうです(笑)
emo8889 Xeno: そのさまざまな活動の中、課題は見つかりましたか?
yutakawww Watanabe: やはり・・・この店にしても、常時誰かが店のスタッフとして居ることが必要です。
つまりSLの住人は、チャットと更新されたコンテンツを常に求めており、
また、アバターに対して物を与えたりすることは、大きな意義があります。
そうした部分をもっと、充実させていきたいと思います。
emo8889 Xeno: 色々企画をやってみて、SLに対しての感想を教えてください。
yutakawww Watanabe: 色々な人々と触れ合えて、
しかも、こちらは自分の島の中ではホストととして振る舞い、
他の島ではゲストとして振舞うわけですよね。
そんな架空世界の身の置き方が、もしかすると現実より品行方正かもしれない。
その部分が非常に楽しい。
みんなゲストには親切なんですね。聞けば初心者にも丁寧に教えてくれる。
僕は最初入った時は、色んな所で使い方を教えてもらってばかりでした。
emo8889 Xeno: ビジネスとしてはどうですか?
yutakawww Watanabe: ビジネスとしては、過信すればOUT、しかし大いなる可能性を感じる。
やはり企業の探る「体感マーケティング」という位置づけは正しいのではないか。
いわゆる五感がない世界で、衣食住をする、ということは、どういうことなのか?
アバターには感覚が無いにも関わらず、現実と同じように風呂に入ったり、
物を食べ、酒を飲み、Hな空間に行く、というのはどういうことなのか?
それは希望の消費行動の裏返しと見れるのかどうか・・・大きなテーマだと思う。
emo8889 Xeno: yutakawwwさんとしてはどうでしょうか?
yutakawww Watanabe: 自分個人としては・・・単純に面白いです。
アバターとしてカッコつけたいのもありますが、
今はチャットに面白さを感じるから、他の人に近づいていきますと、
アバターがアバターなので、みんな気持ち悪がって逃げていく。
もう少しオシャレしないとチャットすら出来ない(笑)
emo8889 Xeno: 今後はSLでどのような活動が可能だと思いますか?
yutakawww Watanabe: テレビ局として、番組宣伝のツールとして使うことは意義があると思います。
これは、これからの計画なのですが、このSLの世界をストリーミングでWebに流すことを考えています。
そうすると、SLの裾野が広がり、多くの人の目に触れ、
また、SLの参加者も増えると思っています。
emo8889 Xeno: まさに放送の世界ですね。
yutakawww Watanabe: さらに、広告媒体として、
今現在、多くの企業がこのテレトロ祭りに広告を出したいと言ってきており、
新たな広告メディアとしても価値があると思います。
この「いせや」のカウンタ-の奥にあるテレビもそうした使い方ができます。
emo8889 Xeno: テレビ業界のSLの使い方ですね。
yutakawww Watanabe: 基本的には、番組宣伝ツールとして使われるのが主流だと思います。
しかし、願わくば…多くの人が参加する事により、
広告媒体として、価値を発揮することを望んでいます。
また、もう少しゲーム性のある場所を設けて、
今まで「何が面白いの?」と言っていたゲームユーザーのような人々も取り込んで、
更にSL人口が増えれば、ますます番宣・広告の価値は高まると思います。
「とにかく自分がやり、そして人には見せるのみ!」
emo8889 Xeno: では最後にSecond Lifeをプレイしている方にメッセージをお願いします。
yutakawww Watanabe: プレイしている方々は、もうそれなりに楽しんでいるのだから、
今後も充分自分の好きなようにSL内を歩き、また冒険し、色々とおしゃれしてください。
むしろ、プレイしていない人、出来ない人に、僕は言いたい。
僕も自宅ではコンピュータのスペックが合わなくてSLは出来ません。
その代わり、LANでセキュリティを保っている会社に、
無理矢理「研究のため」「会社のため」と言って、SL専用PCを購入させました。
そういう手段を使ってでもやる価値はあります。
まさに百聞は一見にしかず。
emo8889 Xeno: その素晴らしい世界のコンテンツを担ってくださいね!
yutakawww Watanabe: 今まで無いものだったからこそ、注目を浴びています。
そしてこれは口頭で、静止画で説明しても分からない!
とにかく自分がやり、そして人には見せるのみ!
間もなくテレビ東京のテレトロ祭りは、ライブ映像をHP上
http://www.teretoro.com/
にて、
近日Web上でも見られるようにします!ヨロシクぅ!
emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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SLはラジオストリーム等で、すでに音楽でライブ活動が始まっていますが、
映像ストリーム放送は、つい最近、初実施されたくらいです。
そんな世界ですので、TV業界参入はコンテンツレベル向上という意味、
そしてリアルの文化がSLに歩み寄ってきたという意味で、大きな事だと思いました。
その上でテレビ東京は、ユーザー参加型コンテンツも沢山実施してくれていて、
テレビ局という枠を超え、我々に沢山の楽しみも提供してくれそうです。
是非皆さんも昭和レトロな雰囲気を演出した、
テレトロ祭りを見に行って見てはいかがでしょうか!
昔ながらの銭湯に使ってのんびりするのもSLですよ!