「Second Life内で参議院議員が演説」
少し前にこのような記事を見つけまして、
私も選挙区は違いますが有権者としてSL内での政治活動というものに、
政策やシステム的な部分で、非常に興味を持ち参加してみました。
フランス大統領選で候補者が、SL選挙事務所を開設するなど、
欧米ではすでに積極的な政治利用が始まっているのですが、
日本の国会議員がSLに事務所を構え活動するのは初の試みだと思います。
http://slurl.com/secondlife/daifuku/71/165/
本日はその民主党議員、「すずかん」さんこと、
鈴木寛先生(suzukan Boucher)にお話をお伺いしました!
http://suzukan.net/index01.html
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emo8889 Xeno: まずSLで政治活動を始めようと思われた理由は?
suzukan Boucher: 僕は、ナローバンドの時にはEC、ブロードバンドの時にも、
インターネットテレビのプロジェクトを始めてきました。
SLは明らかに第三世代のネット環境なので、その新しいデジタルコミュニケーション環境を、
自ら試してみようと思いました。
「SLでの質疑のクオリティが半端ではありません」
emo8889 Xeno: 具体的なSL内でどのような政治活動されているんですか?
suzukan Boucher: 二回政策演説会を行いましたが、
正直、予想以上の成果にびっくりしています。
演説会の質が大変高い。特に、質疑のクオリティが半端ではありません。
emo8889 Xeno: といいますと?
suzukan Boucher: 普通は最初に話が主で、会場からの質疑はとってつけたようなことが多いですが、
過去2回SLで行った演説会は、完全に最初の導入スピーチが序で、完全に質疑応答が主になっています。
2回とも、最初の話は20分で、質疑が40分以上という感じです。
そして、そのレベルが以上に高い。
多分これはチャットだからという事もあります。
つまり、質疑で素人がしゃべると冗長になりがちですが、
文章をタイピングすると、コンパクトで、リズムとテンポが大変よいので、議論がどんどん進化します。
emo8889 Xeno: 逆にSL内での政治活動に課題はありましたでしょうか?
suzukan Boucher: SL内での政策立案活動に参加できる最低限の資質として、ブラインドタッチが必須です。
その段階で、現在の政治家のほとんどが脱落してしまうことです。
emo8889 Xeno: そうなると活動ができる議員、できない議員がいらっしゃる、
この不公平さに問題が発生しますね。
suzukan Boucher: 問題はあります。もちろん。
ただ、SLの感覚がわからない政治家が携帯メール虐めがはびこる、
今の中学校の教育問題は語れないでしょう。
emo8889 Xeno: 確かに仰る通りです。
suzukan Boucher: 政治家に何を求めるのか?です。国民の皆さんが。能力なのか?それとも???
SLのチャットの世界では、ブラインドタッチもさることながら、
そのテーマについて、人に原稿を書いてもらっている政治家は太刀打ち出来ないですよね。
つまり、リアルタイムで、質問に答えないといけない訳で、
官僚やお付の人に書いて貰っている訳にはいきません。
emo8889 Xeno: たしかに国会とは全然違いますよね。
suzukan Boucher: 今の国会は、前の日に質問がわかっていて、
官僚が全部答弁を書いてくれて、それを読んでいるだけです。
しかし、SLで議論しだすと、本当に、そのテーマについて、完全に頭に入っていないと対応できません。
ネットの新パラダイムの登場は、いつも、その物の本質・本体をあらわにする、
という特徴がありますが、政治家の真髄が露呈します。
emo8889 Xeno: そうなると、SLが政治のプラットフォームになるのは難しそうですね。
suzukan Boucher: しかしSLの議論は、本当に新しいアイデアを創造する、プラットフォームとしては最高です。
ブリリアントな人は忙しい為、そうした素晴らしい人を複数集めて、
ブレストとかパネルディスカッションをしようとすると、いつも、数ヶ月先とかになってしまいます。
でもSL内ですと、そうした忙しい方が、集まれるので、意思形成、知的生産性、
創造性は格段に上がると思います。
emo8889 Xeno: では政治活動という視点からSLで今後やって行きたい事は?
suzukan Boucher: もともと僕は、シンクタンクの時代から、
シンクネットの時代に変えていきたいと思っていました。
シンクは人を囲い込む、ネットはオープンにいろんな人材をリンクし、
そうしたネットワークとしていい知恵や政策を出していくという形態です。
そこで、SLはまさに、シンクネットのプラットフォームとして最高です。
emo8889 Xeno: 具体的な政策は構想されてらしゃいますか?
suzukan Boucher: 政治とは少し違いますが、虐められてた子供の駆け込み寺構想、
SL内のセカンドオピニオンクリニックなどの構想があります。
しかし、政策というのは現場から乖離しては成り立たないので、
SL内の心の病のクリニックとか、教育とかはありえると思います。
emo8889 Xeno: 今後はもっとそのような活動や議員活動がSL内で発展しそうでしょうか?
suzukan Boucher: 仲間ももっと募らねばなりませんし、
SLユーザーがどの程度まで拡大するかの速度にも依存します。
クリニックは開いたが、患者さんがこなければ成立しません。
emo8889 Xeno: その構想の実現まで、物凄く時間がかかりそうですね。
suzukan Boucher: 確かに時間かかるでしょね。
だって、普通のネット、ウエブ、ブログですら、選挙活動で未だに使えませんから。
SLをやるにはPCのスペック、知識、時間等、多くの制約があって、
その事にネチズンが怒らないのも残念でした。
emo8889 Xeno: なるほど。
suzukan Boucher: まず専門家が良いアイデアや政策を作るという事の為にSLを使う。
という段階が最初で、有権者へのプロモーションというのには、まだ、時間がかかりますね。
SLがそれに向いているのかどうかもわかりません。
しかし電子掲示版、電子会議室は、明らかにSLの登場で進化します。
SLのコミュニケーションは信頼が増します。
例えば、少なくとも、アバター同士、目を見て話しますから。
電子会議室での討議より、相手との信頼感はかなり増し、
その結果、いい議論ができるのです。
「ネット選挙解禁に尽力します!」
emo8889 Xeno: では最後に読者の方にメッセージをお願いします!
suzukan Boucher: ぜひ、すずかんサイバー事務所におこしください。
そして、SLを使って、面白いプロジェクトのブレストや、ネット選挙解禁を始め、
時々のテーマで、来場者同士がどんどん話すような事務所になればと願っております。
また、私は民主党のインターネット選挙活動調査会の会長で、
すでに、4回ネット選挙解禁法を提出しています。
頑張って、当選して、ネット選挙解禁に尽力します!
emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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参議院選挙で超お忙しい中、快くお時間を作っていただけました。

文中にも出ましたが、国会の世界では用意された原稿ありきな為、
今回もその様に予想していましたが、今回の取材は事前質問もナシで開始となりました。
その状態で素晴らしいお答えをして頂けたという事は、
SLというリアルと密接に関わった仮想空間のパイオニアとして、
しっかりとした政治活動が出来る実力と知識があると、伺い知る事が出来ます。
さらにネットでの政治ビジョンを非常にしっかり持ってらっしゃる印象を持ちましたし、
余談ですがタイピング速度がめちゃくちゃ速かったのにもインパクトがありました。
ただいま公職選挙法の為、Daifuku SIMのずすかんサイバー事務所 は閉鎖中で、
このようなメッセージを頂いています。
私たちとしてはせっかくの新しい可能性であるプラットフォームを
大規模な国政選挙にてどう活かすことができるかという取り組みはもっと
していきたいのですが、残念ながら現在の法律では許されておらず
やむなくの閉鎖となります。
ただ、過去にもSL内で演説会を実施していますので、
是非次の機会はみなさんも参加してみてください!